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海外留学のすすめ

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留学のすすめ
~Comfort Zone(居心地のよい場所) からの脱出~

近年、時々耳にする気になることは、最近の学生はComfort Zone =日本で、「何もわざわざ危険を冒してまで海外に出かけて行く必要などない」という考えを平気で口にするということである。日本にはなんでもあるし、この国ほど居心地の良い国など世界中どこを探しても見つけることはできないというのがその言い分である。留学するということは学問を外国で習得するという意味と同時に「自立人間の創造」とも言えることを忘れてはならない。

昔から日本には「かわいい子には旅をさせろ」という格言がある。広辞苑によると、それは親に対する教訓のようなもので、“子供は甘やかして育てるより、親元から手放して、世の中の辛苦をなめさせたほうがよいと”いう意味である。

つまり、海外留学というのは単に語学学習や外国の大学で学問するというだけの意味でとらえるのではなく独立独歩、総合して人生の過程をひとりで経験しながら自立していくという意味でとらえるべきなのである。

海外での生活は楽しいことばかりではない。いわゆるしんどいことも数多くある。異文化の中で、異なった生活の仕方や考え方を経験することから、人生のヒントを手に入れることができるということが多い。居心地の良い場所でぬくぬくと生活することから学ぶものはあまりない。一般に人は気楽に、楽しく生活したいという願望があって少しでも楽な道を選ぶ傾向にある。

かつてアメリカに「民主社会の教育」ということで社会に一石を投じた哲学、心理、教育を学んだ学者がいた。John Dewey(1859 ~1952 )である。デュイーは経験や実験に重きをおいて教育の在り方を論じた人である。教育とは不断の経験の改造である、というのが彼の教えである。将来への道を導くような、そんな力を与えてくれるような、経験の改造の繰り返しが人の人生に意味を与えてくれるというのである。

“やってみる人間”とは創造性に富み、意見を有し、変革を生む力を持った人のことではないだろうか。人生とは型にはまった固定的なものなのだろうか。若者とは粘土のように力を加えればいろんな形に変形できる、いわゆる可塑性といわれる性質をもっているべきなのである。語学の勉強からはじめて、その気になって外をみてみるということは何らかの具体的成果をもたらすと信じることが大切なのだ。

It is impossible to fail totally, if you dare to try.

(完全に失敗することなどあり得ない、もしも本気になってやってみれば)

帝塚山大学国際交流委員会