文学部日本文化学科

本物に触れて身につけた感性と教養は
人生を豊かにみちびく羅針盤となる

日本語のしくみを意識したことがありますか。日本文化の趣きや深みに触れたことはありますか。歴史の面白さを知っていますか。日本文化学科で身につけるのは、これからの人生で必ず役立つ教養と深い見識。そして「読む」「聞く」「書く」「教える」4つの力。古都奈良にある大学の立地や、付属博物館を持つという利点を生かして本物に触れながら、自分の興味や好奇心を広げていきます。夢中で学びを楽しんだその先には、教師や学芸員、公務員をはじめ、豊かな教養を仕事に生かす未来が待っています。

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実学とは?

本物に触れ、感性を磨き、
専門性の高い職業人へ
  • 幅広い学びから興味を探り
    目標と進路につなげる

    まずは2年間で歴史学や考古学・民俗学・文学などを幅広く履修し、自分の興味を探ります。3年次以降は目標と進路に合わせて学びを深めます。
  • 「本物」に触れながら
    歴史の世界を体感

    奈良の文化財や遺跡など「本物」に触れる学外実習や、学術機関と連携したプロジェクト型学習を通じ、歴史や古典、考古学の世界を体感します。
  • フィールドワークを通じ
    幅広く活躍できる人材に導く

    多彩なフィールドワークで培った協慟力やコミュニケーションカ、授業で得た教養と表現力を生かし、幅広い分野で活躍できる人材を育てます。
  • 学芸員や研究者をめざし
    専門分野を探究する道も

    大学院に進学して学びを探究することも可能。専門分野を究めることで得られる高度な知識は、学芸員や研究者をめざす学生の強みとなります。

なにを学ぶ?

自分らしく学び、
自分らしい未来を実現する
3つのコース(全員が選択)を選び7つのプログラム(希望者が選択)を組み合わせてキャリアにつなげる

コース

3つのコースで
興味ある分野を学び、
専門性を深める
(全員が選択)
  • 歴史・文化財コース

    古文書や遺跡、美術工芸品、人々の伝承や生活習慣、風俗など、さまざまな史料や文化財に触れることで歴史のロマンや真実を探究する奥の深い学問です。
    主な分野
    歴史学・考古学・美術史・民俗学
    めざせる未来
    • 文化財にかかわる専門職(博物館の学芸員など)
    • 中学校の社会の教員/高校の地理歴史の教員
    • 図書館司書
    • 大学院に進学 など
  • 日本文学コース

    現代文学や古典、演劇などさまざまな作品を深く読み解いたり、日本語そのものの分析を通じて読解力や農かな表現力を身につけます。
    主な分野
    日本語学・古典文学・近現代文学・演劇
    めざせる未来
    • 出版社の編集者
    • 広告のコピーライター
    • 中学校の国語の教員/高校の国語の教員
    • 図書館司書 など
  • 日本語教育コース

    日本語のしくみや教授法、異文化コミュニケーションなどを学び、日本語教員として求められる知識・技能を養います。4年次には外部の日本語学校での実習も。
    主な分野
    日本語教育・交流文化
    めざせる未来
    • 日本語学校教員
    • 外国人に日本語を教える職員
    • 外国人に向けた研修を行う職員 など

選べるプログラム

  • 資格取得の先にある専門職を
    めざすプログラム

    文化財プロフェッショナルプログラム

    将来、博物館学芸員や文化財担当公務員をめざす人、文化財に興味のある人のためのプログラムです。さまざまなジャンルの文化財と向き合い、その特色や背景、調べ方・考え方などを学びます。
    授業科目等
    「博物館概論」「博物館実習」「考古学実習」「美術史実習」「民俗学実習」など
    資 格
    学芸員

    国語・社会教員プログラム

    将来、中学校や高等学校の「国語」「社会」「地理歴史」の先生をめざす人のためのプログラムです。「教師塾」などを利用しながら教師をめざす人を支援します。
    授業科目等
    「教科教育法」「教育実習」「日本史研究」「日本文学研究」 など
    資 格
    高等学校教諭一種免許状(国語・地理歴史)、中学校教諭一種免許状(国語・社会)

    日本語教員養成プログラム

    将来、日本や海外で日本語教員として活躍したい人のためのプロクラムです。日本語の知識と指導方法をしっかりと修得し、留学生と交流しながら、日本文化を発信する力を磨きます。
    授業科目等
    「日本語教育概論」「日本語教育実習」「日本語教材研究」「日本語教授法」「子どものための日本語教育」 など
    資 格
    日本語教員
  • 専門知識を高め、スキル向上
    をめざすプログラム

    創作文芸・出版プログラム

    小説を書いてみたい人、出版関係の仕事がしたい人のためのプログラムです。小説の創作方法を学び実際に執筆して同人誌などで発表、書籍・雑誌の編集作業を行うなど、実践的に学びます。
    授業科目等
    「日本文学特講(近現代文学)」「文章表現実習」特殊講義「創作を学ぷ」「日本文学史(近現代文学)」「図書館情報資源概論」「文化発信実習」 など

    古文書・古典籍プログラム

    古文書や古典籍に親しみ、より深く学びたい人のためのプログラムです。実物に触れながら、くずし字の読み方や地域に残された文献の調査方法など、社会からの要請にも応えられる力を身につけます。
    授業科目等
    「古文書実習」「日本文学研究」「古代史」「中世史」「近世史」「日本文学史(中世・近世文学)」「日本文学特講」 など

    地域文化PRプログラム

    近年、地方創生や地域活性化が社会的課題です。その解決に必要な地域文化のPRの基本から企画立案手法まで、具体的に学びます。将来PRの仕事にかかわりたい学生におすすめです。
    授業科目等
    「フィールドワーク入門」「地域文化(地域と行政)」「地域文化(地域テザイン)」「地域文化実習」 など

    児童文学研究プログラム

    児童文学について、ルーツや発展の歴史、表現、創作の方法などから多角的に理解を深め、児童文学の魅力に迫ります。国語科教員や司書教諭、図書館司書の職に役立つ内容です。
    授業科目等
    特殊講義「児童文学を学ぷ」特殊講義「創作文芸・出版」「日本文学特講(童話・児童文学)」 など

学びPickUp

  • 考古学実習

    貴重な文化財に触れながら考古学の基礎を固める
    遺跡の発掘調査に使用する測量機械の取り扱い方や椴材を使った作図方法などについて、発掘調査経験を持つ教員が、実践的に解説します。さらには、発掘調査報告書の作成に必要となる出土品の整理作業など、貴重な文化財を実際に自分自身で見て、触れるという経験を通じ考古学に必要な基礎的な知識や技術の獲得をめざします。
  • 特殊講義
    (創作を学ぶ)

    知識や技術、ノウハウを創作のプロから直接学ぶ
    創作の現場で活躍している多様なジャンルのプロ作家から、その経験をもとにした知識・技術を学びます。歌人の先生による歌会では、学生が事前につくった歌を全員で評価していく「合評」を行ったり、小説家の先生から出された「私が考える最大の危機とその解決法をでっちあげよ」というテーマに取り組んだり、さまざな方法で創作の具体的なノウハウを学びます。知識や技術以外にも、表現者をめざすために準備しておくべきこと、心構えなども教わります。
  • 日本文化への
    多角的アプローチ

    日本文化に対するフレキシブルな物の見方や分析力につなげる
    日本文化にかかわる共通テーマを設定し、学科教員がリレー形式で講義を実施します。日本文化研究の多彩な分野を学べる本学科の特色を生かし、例えば「食」という共通のテーマに対して歴史学・考古学・民俗学・美術史・日本語学・古典文学・近現代文学・演劇など異なった視点でアプローチします。多角的に物事をとらえ、考察を重ね、さらに意見交換を進めていくことで、フレキシブルでやわらかいものの見方や分析力、表現力を磨きます。
  • 博物館実習

    学芸員の実際の業務を学内の博物館で体験
    学内に博物館がある本学のメリットを生かし、学芸員資格の取得に必要な博物館実習を学内で実施します。実習を通じて、学芸員に求められる史資料の取扱いに関する技術を修得し、実際の学芸員の業務を具体的に学んでいきます。また、博物館や美術館の役割や意義についての理解を深めるとともに、学芸員を職業とするうえで必要な心構えや態度を学びます。

特色ある取り組み

  • 1年次から多くの学外実習を経験

    「本物」に触れて感動し、関心を育てる体験型授業
    1年次に40回以上の「学外実習」を行い、世界遺産や文化財、国宝の宝庫である地元奈良はもちろん、京都や大阪の史跡や美術館、博物館での展示会などへも訪れます。さまざまな文化遺産や神社仏閣を自身の目で確かめ、素晴らしさを肌で感じることが、自分自身が究めたいテーマとの出合いにつながります。
    学外実習先の例
    奈良国立博物館(正倉院展など)/平城宮跡/飛蔦の遺跡/法隆寺/薬師寺/唐招提寺/東大寺/春日若宮おん祭/伊勢神宮/姫路城 など多数
  • 4年間の学びの集大成である「卒業研究」

    学科で培ってきた「アカデミック・スキル」を駆使して卒業論文に取り組む
    日本文化学科では、全員が「卒業研究」に取り組みます。4年次のセミナールで関心のあるテーマを選び、担当教員の指導のもと研究を進めます。学科で培われた専門的な知識のほか、調査力や論理的思考力、分析力、文章力などの「アカデミック・スキル」を駆使し、4年間の学びの集大成として12,000字に及ぶ卒業論文を完成させます。「卒業研究」を通じて身につけた力は、社会で活躍するための確かな基盤となります。
    卒業研究テーマ
    菅原道真と怨霊/太平記における刀剣の描写について/法隆寺式軒瓦の研究/鑑真和上坐像に関する一試論/中世女性の地位と仕事内容/奈良の葬送儀礼と盆行事/ジェンダー表現と社会のかかわり など

実践的な学び

獅子頭里帰りプロジェクト

山口県山口市
徳地柚木地域
× 日本文化学科

本学所蔵の獅子頭の歴史をひも解き
「本物」の伝統文化を体験

本学科の学生が行った調査の結果、本学所蔵の朱塗りの探子頭が、山口県徳地柚木地域で約200年前に作られていたことがわかりました。また、現在も火伏祈願の獅子舞が奉納されている同地の柚木神社には、本学のものと同時期の銘を持つ獅子頭が保管されており、作者も同じであることが判明。これをきっかけに山口市歴史民俗資料館での展示会が実現し、同じ作者による兄弟獅子が200年ぶりに故郷で再会しました。この際、地域文化の保存・継承を目的に、最新鋭の3Dレーザースキャナーによるモデリングで作成した獅子頭の超軽量3D模型を「令和の獅子頭」として同時展示。「令和の獅子頭」を用いた獅子舞を、柚野木小学校の児童が披露するイベントも催されました。
本学科では、学外ネットワークを生かした展示会などを通じ、遺跡や史資料、伝統文化といった「本物を体験」することを重視しています。今回は獅子舞という伝統文化を通じて多くの人々とつながり、プロジェクト活動によって地域を元気づけたり、伝統芸能の継承に貢献できたことを肌で実感。貴重な経験を積みました。
徳地地域の獅子舞伝統文化継承の一助になればと、新たに作成した3D模型「令和の獅子頭」は、柚野木小学校に寄贈されました。