2024年10月29日(火)
プレスリリース
【プレスリリース】阿武山古墳 冠の完全復元写真を11/2(土)の公開講座で初公開 鎌足墓の可能性さらに高まる
帝塚山大学(学長:奥村由美子 所在地:奈良市帝塚山7-1-1)牟田口章人客員教授が、阿武山古墳(大阪府高槻市)で出土した棺の副葬品が「大化改新」で定められた2種類の冠「大織冠」「鐙冠(つぼこうぶり)」であった可能性が高いことをX線写真の画像解析により明らかにしました。
このうちの「大織冠」とみられる冠をAIと視認でカラー化した完全復元写真(写真右)を11月2日(土)、帝塚山大学東生駒キャンパスで行われる公開講座「奈良学への招待XXIII 藤原鎌足の大織冠に迫る ―阿武山古墳棺内写真分析から―」において、一般に初公開します。
- 1934年の阿武山古墳発掘当時に撮影されたX線写真の画像解析を進め、写真左上の2cm 四方ほどに、綴織の特徴を示す複数の金糸が織り返して密に並んでいる箇所を確認。
- 大化改新の織冠の帽子部分は綴錦の一種である織物で作られたとされていることから、この綴織は大織冠を特徴づけるものとして、被葬者が藤原鎌足である可能性がさらに高まった。
- 帽子の綴織の上に六弁花の刺繍がアップリケされていることも画像から確認。
- 帽子の綴織は経糸がすべて腐り落ちているため文様は判明せず。AIと視認で白黒写真の金糸を抽出してすべてカラー化、直径6~8センチの六弁花も羅地に縫い付けたアップリケとして再現。
また、棺内には大化の冠位制度に記されたもう一つの冠である鐙冠の断片の漆羅と見られる布片があることも判明しています。棺には最高位の大織冠と鐙冠がセットになって副葬された可能性が高いと推定しています(ただし、鐙冠は破壊が酷いため未復元)。
奈良学への招待XXIII 藤原鎌足の大織冠に迫る ―阿武山古墳棺内写真分析から―
【日時】 2024年11月2日(土)10:30-12:00
【場所】 東生駒キャンパス 1号館1101教室
【定員】 80名
【申込】 帝塚山大学HP所定の申込フォームから
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※報道発表全文内に使用する写真(左)については
[写真内容] 頭部から胸部1. [資料番号]箱5(茶2)-4(1), 京都大学考古学研究室写真: 阿武山古墳調査, 1934, 1987.
([コレクション番号]FoLs PIC 2017/6, 京都大学研究資源アーカイブ),京都大学総合博物館・京都大学大学院文学研究科考古学研究室所蔵