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2023年10月2日(月)

イベント・講座

令和5年度第1回FDフォーラム「生成AIをめぐる規範の動向―正しい理解と適正な活用のために―」を開催しました

令和5年度の第1回FDフォーラムを9月20日、オンライン形式で開催し、「生成AIをめぐる規範の動向―正しい理解と適正な活用のために―」と題して、理化学研究所および東京大学名誉教授の中川裕志先生にご講演いただきました。

生成 AI については現在、これからの社会生活に多大な影響を与える可能性が指摘され、特に教育現場での活用が期待されています。すでに生成AIを授業に取り入れている大学も現れており、今後導入事例は増えていくものと予想されます。本フォーラムでは、そのような社会情勢を踏まえて、生成AIをどのように大学の授業で活用すべきかを探りました。

中川先生は、まずChatGPTをはじめとする生成AIの成り立ちについて触れ、AIを使用するにあたって必要となる個人情報保護やプライバシーに関する法整備について説明されました。その後、ChatGPTやMidjourney(画像生成AI)で実際に使用したプロンプト(指示文)を何パターンか紹介し、プロンプトの精度によってAIからの回答が大きく異なってくることを示しました。それらの生成例を比較しながら、AIの性能自体は著しく向上しているものの、回答の正確性や適切さなどを評価するためには、使用者自身の基礎知識や倫理観を磨く必要があると持論を展開しました。そのうえで、生成AIを授業で利用するのは必然的な流れであるとし、学生のAI使用を全面的に禁止するのではなく、例えば書いたレポートの文章校正や内容の検証などに活用するなど、AIの特性を生かした利用法を示すべきであるとの考えを述べました。

講演の後には質疑応答があり、授業における効果的なAI活用について活発な意見交換が行われました。

帝塚山大学はこれからも教育内容の改善をはじめ、FD活動に積極的に取り組んでまいります。