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2021年3月5日(金)

プレスリリース

シルクロード都市 ウズベキスタン・サマルカンド州 カフィル・カラ城における高級飲食物食糧庫の発見

シルクロード都市 ウズベキスタン・サマルカンド州
カフィル・カラ城における高級飲食物食糧庫の発見

 

饗宴想像図3.jpg

【王の饗宴 想像再現図】

 

帝塚山大学(学長:蓮花一己 所在地:奈良市帝塚山7-1-1)とウズベキスタン考古学研究所が、共同で実施したウズベキスタン・サマルカンド市カフィル・カラ城(シルクロード都市)における2019年度の調査で、玉座がある部屋のごく近い場所に、高級飲食物の食糧庫を発見しました。

  • ■玉座がある部屋の横に高級飲食物の食糧庫を新たに発見。
  • ■食糧庫は中央に柱列が並ぶ特殊な二階構造であり、その一階(地下蔵)の入口側には多数の大甕(がめ)が据えられていた。内部の炭素付着状態から酒甕(ワインと推定)と油甕(オリーブオイ ルと推定)に区別でき、粘土で封をしてスタンプを押して厳重に管理されていたと考えられる。
  • ■食糧庫は二重構造で、飲食物の保存のために温度管理をしたものと推定される。
  • ■食糧庫の奥は板壁とドアで仕切られ、そこにはムギ・アワ・マメなどを布袋に入れて保管されていた。それ以外にも、ニンニク・クルミおよび、ハチミツを入れていたと推定される容器、装飾付き木製鉢などが見つかっている。

このような発見は極めて珍しいことであり、これらの成果に動物骨のデータやソグド人関係の壁画資料を加えて、王の食卓を復元する試みを行いました。またエーゲ海文明の食糧貯蔵庫や東アジアの甕蔵との比較を行い、東西文明交流における意義も検討しています。

【カフィル・カラ城でのこれまでの発掘成果】

■2017年度にの調査においては、ゾロアスター教の儀式の場面を描いた浮き彫り板絵を発掘し、そこに正倉 院宝物における楽器の琵琶や箜篌が描かれていたことを報告し、それらが日本に伝わるシルクロード交流に おいて,中央アジアが重要な地域であったことが具体的かつ明確しました。

■2018年度の調査においては、玉座があると推定した部屋から金製品や宝飾の装身具を発掘し、その装身具 がアフガニスタンのギリシア系黄金文化と、日本・東アジアの黄金文化のシルクロードを介したつながりを 解明する大きな鍵になることを報告しました。

本発掘成果に関するオンデマンド配信講座「シルクロード 王様の食卓」(講師:宇野隆夫 客員教授)は3月10日(水)~31日(水)まで視聴可能です。ご希望の方はこちらの申込フォームに必要事項をご記入のうえお申込みください。10日10:00に視聴アドレスを配信予定です。

※3月10日(水)以降にお申し込みの場合は、ご返信メールで視聴アドレスをご案内いたします。

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