ニュース

2021年6月27日(日)

イベント・講座

特別客員教授 花山院弘匡氏による公開講座「春日若宮おん祭と今年、翌年の20年に一度の若宮御造替」を開催しました

IMG_9589.JPGのサムネール画像

本学と生駒市図書館は公開講座「春日若宮おん祭と今年、翌年の20年に一度の若宮御造替」を6月23日、生駒市図書会館市民ホールで開催しました。特別客員教授の花山院弘匡氏(春日大社宮司)が若宮神社の式年造替について講演し、100人を超える市民が参加しました。

平成元(1989)年から始まった生駒市図書館との共催公開講座は、本学が取り組む地域連携、貢献事業として地域に深く根付いたものの一つで、今年で33回目の開催となります。

春日大社の式年造替は20年に一度行われますが、1000年以上にわたり古式にのっとって遷座を行っているのは、伊勢神宮(ただし、伊勢神宮は遷宮)と春日大社のみです。平成19(2007)年に始まった第六十次式年造替は、本社四殿に加え境内にある62の御殿の修理を経て、若宮神社の造替で締めくくられます。平成3(2021)年4月23日の夜に行われた、式年造替の最後を飾る「仮殿遷座祭」は、若宮神社のご神体を仮殿に遷す儀式で、春日大社のなかでも最も重要な祭りのひとつであるとされています。

花山院氏は、「ご神体に直接触れて仮殿にお運びする遷座では、「前精進」として1か月前から弔いにかかわることや、五蘊、獣肉を避けて精進潔斎する。1週間前の「正精進」では魚肉も避けて神社に籠り下界とのかかわりを断つ」と解説。さらに、神主は身にまとうものをすべて新しくすることや、「正精進」の初日には、神社内をより清浄に保つために、神領の巫女が特別な祝詞を奏上して、清浄な水を沸かした御湯(みゆ)をまく儀式が行われることが紹介されました。

遷座にあたっては、若宮神社から仮殿までの約150メートルの参道を白い布で覆い、ちょうちんの明かりに先導されながら、神主は「オーオー」と声を出して神様の通行の先払いを行うとのことで、普段公開されることのない秘儀の様子がスライドに映し出され、参加者は真剣に見入っていました。