2025年6月3日(火)
プレスリリース
【プレスリリース】地域に眠る歴史を救え! 桜井市の古文書レスキューに学生が出動 6月7日(土) 桜井市外山にて初回調査
帝塚山大学(所在地:奈良市帝塚山7-1-1、学長:奥村由美子)文学部日本文化学科の岡島永昌准教授と学生・大学院生が、奈良県桜井市外山区に伝わる古文書の調査・整理に取り組みます。今回のプロジェクトは、地域に埋もれていた貴重な歴史資料を未来へと引き継ぐ「古文書レスキュー」。文書の劣化や散逸を防ぐべく、大学と地域が連携し、実地調査と整理及び目録化の作業を開始します。
【眠ったままの地域史料】
奈良県内には、未整理のまま保管されている古文書が数多く存在します。今回、整理を行う対象は、桜井市外山区に伝わる区有文書で、現在は宗像会館(桜井市外山870)に保管されています。点数はおよそ1,500~1,800点。寛永4年(1627年)の近世文書から昭和10年代の近代文書まで、幅広い年代の資料が含まれます。これらは、桜井町史編纂時(昭和27/1952年~29/1954年)に一部は調査されたとみられています(村上紀夫,「外山区有文書」令和4・5年度奈良県内古文書所在確認調査報告書,2024年3月)。
文書の多くは行政関連の記録であると考えられますが、氏神である宗像神社の祭礼のほか水の管理や災害の記録など、地域の歴史を物語る貴重な一次資料が含まれている可能性があります。地元在住の文化財専門職の方が月1回のペースで整理を進め、これまでに約250点の資料が分類・整理されました。ただ、このままでは作業完了までに5年近くを要するとの見込みから、外部からの支援が求められていました。
【学生による「記録を未来へ」つなぐ協働作業】
これらの状況を受け、本学文学部日本文化学科の岡島永昌准教授(古文書学)と、古文書に関心を持つ学生・大学院生が加わり、本格的な整理・分類・目録化作業に着手することとなりました。現在、文書はブリキ製の衣装ケース3箱と木製の書類入箱に収納されているため、今後は中性紙製の文書箱に順次移しつつ、整理・調査・目録化を進めます。
この活動は、地域の歴史を自らの手で明らかにする貴重な学びの場であると同時に、地域文化を次世代に継承する重要な取り組みでもあります。今後、整理された文書は広く地域住民に公開し、調査に携わった教員と学生による報告会の開催も予定しています。
【初回の実地調査のご案内】
古文書整理プロジェクトの初回の実地調査は、以下の通りで実施予定です。
日時:2025年6月7日(土)10:00~16:00
場所:宗像会館(奈良県桜井市外山870)
参加者:岡島永昌准教授、大学院生、学部学生
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