2025年2月7日(金)
プレスリリース
【プレスリリース】阿武山古墳 棺の中は古墳時代 埋葬手順を画像で再現 2/11(火・祝)10:00~ 帝塚山大学公開講座で公表
帝塚山大学(学長:奥村由美子 所在地:奈良市帝塚山7-1-1)の牟田口章人客員教授が、阿武山古墳(大阪府高槻市)発掘時に撮影された棺内の様子などのX線写真と藤ノ木古墳の埋葬状況を比較し、(藤原鎌足の可能性が高い)被葬者の埋葬手順を画像化しました。これらの考察結果および画像について、2月11日(火・祝)に、帝塚山大学東生駒キャンパスで行われる公開講座「大織冠・藤原鎌足に迫る ~発掘から90年 史跡・阿武山古墳~」において公開します。
①1982年に発見された阿武山古墳発掘時(1934年)に撮影されたX線写真の原版写真および大阪府史蹟名勝天然紀念物調査報告. 第7輯の記載からすると、同古墳の被葬者の状況は約1世紀の差はあるものの藤ノ木古墳(6世紀後半)の発掘内容と同等であると考えられる。両者を比較しながら藤原鎌足の可能性が高い阿武山古墳被葬者の埋葬手順の画像化を試みた。
②棺の内壁には朱漆が塗られ、直線的な文様の錦の敷布団の上に荒い植物質の布(麻?)でくるまれた遺体が寝かされており、錦の掛け布団がかけられていた。そのうえで、棺の蓋をする前に棺全体が赤い布で覆われていた。棺の中に太刀はなく、このことからも天皇家ではない臣下にあたる人物が埋葬されたことがわかる。
③日本書紀によると、藤原鎌足は669年10月に死亡し埋葬は翌年の9月とされる。殯(もがり)が行われたと考えられる。
④鎌足自身は大化の改新の一環で陵墓の簡素化を推進していたが、(大化の薄葬令)、自身の陵墓(の可能性が高い)阿武山古墳の棺の中は、6世紀後半のものとされる藤ノ木古墳の被葬者と変わらない「古墳時代」のものであった。
大織冠・藤原鎌足に迫る ~発掘から90年 史跡・阿武山古墳~
【日時】 2025年2月11日(火・祝)10:00~11:30(受付9:30~)
【場所】 東生駒キャンパス 1号館1101教室
【定員】 200名