2024年10月15日(火)
イベント・講座
【開学60周年記念事業/経済経営学科】「公開講座「経営者と学生が起こす化学反応~学ぶ・繋ぐ・生み出す~」を開催しました
経済経営学部は、9月21日(土)、大学開学60周年を記念し、「経営者と学生が起こす化学反応~学ぶ・繋ぐ・生み出す~」と題した公開講座を学園前キャンパスで開催しました。この講座では、学生によるアクティブラーニングを通じた課題解決の事例発表に加え、経営者や教員とのディスカッションも行われました。約60名の参加者が集まり、学生、教職員、一般の方々が、年代や立場を超えて学びを共有する場となりました。
学生の事例発表に先立ち田中雅子教授がアクティブラーニングの目的を解説し、その本質は学生が実社会から学び、現場での気づきを得ることにあると強調しました。その後、経済経営学部4年生の福永泰士さんが、沖縄県の企業である(株)琉球補聴器が抱える経営課題に対して、どのようにアプローチしたかを発表しました。福永さんは、同社の訪問後に訪れた大阪の(株)をくだ屋技研で課題解決策につながるヒントが得られたことに触れ、現場での気づきが提案のカギになったと語りました。
(写真上:アクティブラーニングの目的を語る田中雅子教授 写真下:学びの成果を発表する福永さん)
続いて、(株)琉球補聴器の森山賢社長と、(株)をくだ屋技研の奥田智社長が、それぞれの企業で推進する「企業理念の浸透」に向けた取組みを紹介しました。森山社長は、毎朝1時間以上かけて行う朝礼で、社員同士が「+のことば」「+の表情」「+の動作」「+のイメージ」を意識して声を掛け合うことで、企業理念の浸透と社員間の信頼関係の強化につなげていると解説しました。奥田社長は、リーバイスとのコラボでユニフォームを刷新した事業や、社員が手作りで社内外から人が集まるカフェを開設したプロジェクトなどについて紹介し、一見非効率にもみえるこれらの取り組みを通じて企業理念を共有し、次世代を見据えた社員育成を進めていると述べました。
(写真上:(株)琉球補聴器の森山賢社長 写真下:(株)をくだ屋技研の奥田智社長 企業理念の浸透に向けた独自の取組みを紹介)
パネルディスカッションでは、アクティブラーニングの意義についてパネリストが議論を交わしました。(公社)関西経済連合会の杉田龍飛参事は、𠮷野功一准教授の熱意に応えて企業訪問先に(株)をくだ屋技研を紹介したことなど、今回の成功談に至る舞台裏を明かし、「アクティブラーニングでは効率を重視するのではなく、学生と企業双方の化学反応をめざした環境づくりこそが必要」であるとの認識を示しました。また、森山、奥田両社長からは、実学を基盤に学生個々の力を伸ばしていくという本学の姿勢に対する期待感が語られました。
(写真:学生と企業の化学反応について語る(公社)関西経済連合会の杉田龍飛参事)
熊谷礼子副学長は、「今日の皆の発表や議論を通じて、多様な視点から物事を捉え、理論と実践を統合して現実社会での課題解決に役立てる力を育成するという経済経営学部の学びの本質がアクティブラーニングに支えられていることを再認識した。今後もこのような取り組みを推進し、学生の成長を支えるとともに社会に学びの成果を還元していきたい」と講座を締めくくりました。
(写真:結びの挨拶を行う熊谷礼子副学長)
今回の講座は、学生と企業・経済団体、教員が三位一体となって、現場で実践する実学教育の重要性を改めて確認する貴重な機会となりました。参加者からは、「教員と学生の熱意が伝わってきた」「経営者の話から経営理念浸透への実行力を感じた」「産学連携のあり方を考えさせられた」「深く心に刻まれる講義だった」といった意見が寄せられました。特に学生の参加者からは、自分たちと同年代の福永さんが経営者に堂々と提案したことに感銘を受けたという感想が多く集まり、先輩の雄姿におおいに触発されたようでした。