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2024年10月17日(木)

イベント・講座

特別客員教授 花山院弘匡氏による公開講座「-令和6年 たつ年-大和・京都南部の人々の命をかけた祈り 春日龍神」を開催しました

特別客員教授の花山院弘匡氏(春日大社宮司)を講師に迎え、919日に公開講座「-令和6年 たつ年-大和・京都南部の人々の命をかけた祈り 春日龍神」を奈良市西部会館市民ホールで開催しました。200人近くの市民が集まり、春日大社の龍神信仰についての講義に耳を傾けました。

花山院氏は、龍神が人々の命の源である水と主食の水稲(米)を守護していることに触れ、「雨をもたらすことから自分たちの命を支える存在として見なされていた」と説明。また、寺や神社に描かれた黒い背景の龍の絵は、龍が天に昇り、黒雲が現れて雷鳴を響かせ、雨を降らせることで命を育む幸福の象徴であったと話しました。

春日大社の東に位置する春日山は平城京に流れ込む川の貴重な水源地であり、そこに鎮座する春日龍神は大和国や山城国(奈良~京都南部)で絶大なる信仰を誇ったと述べ、「雨不足の際には、春日大社の龍神に雨乞いの祈りを捧げた」と解説しました。また、春日龍神信仰の広がりは、室町時代に世阿弥が能の「春日龍神」を創作したことにも表れていると指摘しました。

さらに、辰年にちなんで今年実施されている春日龍神の御社殿と聖蹟を巡る「五大龍神めぐり」についても紹介されました。