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2024年1月12日(金)

プレスリリース

【プレスリリース】阪神淡路大震災で蔵が倒壊した酒造会社の看板などを展示 博物館実習生による企画展示「看板 ―これどんな店?―」~2/16(土)まで

 帝塚山大学附属博物館(館長:清水昭博 奈良市帝塚山7-1-1)は、2月10日(土)まで、第16回博物館実習生による企画展示「看板 -これどんな店?-」を開催しています。附属博物館を設置する本学は、学芸員資格取得に必須の「博物館実習」を大学所蔵の本物の史料に触れながら学内で行うことができます。博物館実習生による企画展示は、その学びの集大成として、文学部の学生が企画、立案し毎年1月に一般に向けて開催するものです。

 今年の展示テーマは昔の看板。明治末期から昭和中期にかけて使用されていた酒屋や呉服屋、薬売り、すし屋などの看板8点と関連資料を展示し、それらから読み取れる商業文化について紹介します。

 展示品のひとつ(写真1)は、創業明治25年(1892年)の酒造会社「菊千歳酒造」(神戸市東灘区魚崎)のもの。同酒造は阪神淡路大震災により仕込み蔵が全壊した後、酒造りを再開しておらず、批評家の小林秀雄が愛したとされる銘酒「菊千歳」も今は飲むことはできません。また、洋装の女性が中央に大きく配置された呉服店の看板(写真2)は、その女性のモデルが誰であるか長らく不明でしたが、学生の調査で大正天皇の皇后「貞明皇后(1884年~1951年)」の可能性があることがわかりました。このように出所や背景が明らかになったものがある一方で、「はらいたのくすり 熊膽木香丸」(写真3)のように薬屋の看板として多く出回っていたにもかかわらず、来歴が謎なものもあります。

 今年は本展示を企画した学生によるギャラリートーク(展示解説)も4年ぶりに実施。看板から伺い知ることができる時代背景や、工夫された広告表現なども、学生の解説とともにお楽しみいただければと思います。

第16回博物館実習生による企画展示 「看板  -これどんな店?-」
【展示/開催期間】 ~2月10日(土) 午前9時30分~午後4時30分
【休館日】 日曜・祝日、1/12(金)、1/13(土)、1/20(金)
【入館料】 無料 ※開館日時に変更等が生じる場合には、HPで随時ご案内します。

【学生によるギャラリートーク(展示解説】博物館実習の学生が展示解説を行います。
【日時】2024年1月19日(金)13:30-14:00、 1月27日(土)15:45-16:15

【関連講座】
<第508回市民大学講座>
【日時】2024年1月27日(土)14:00-15:30
【講師】河口充勇  教授(帝塚山大学文学部日本文化学科)
【演題】奈良酒ルネサンス-異業種間協力ネットワークに着目して-

報道発表全文はこちら

本企画展示の案内ちらし 博物館実習生がデザイン

写真1 菊千歳酒造㈱ 看板

写真2 小澤呉服店 看板

写真3 はらいたのくすり 看板