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2021年8月11日(水)

プレスリリース

戦禍を乗り越え、平和の尊さを今に伝える「青い目の人形」報告書 「奈良県に遺された4体の『青い目の人形』 -渋沢栄一とギューリック博士が試みた日米親善-」 平和教育への活用をめざしてHPで一般公開

戦禍を乗り越え、平和の尊さを今に伝える「青い目の人形」
報告書 「奈良県に遺された4体の『青い目の人形』
-渋沢栄一とギューリック博士が試みた日米親善-」
平和教育への活用をめざしてHPで一般公開

帝塚山大学(学長:蓮花一己 所在地:奈良市帝塚山7-1-1)法学部法学科の末吉洋文教授(専門:国際法、平和学)と所属するゼミ学生が、戦禍をくぐり抜けて奈良県内に残された「青い目の人形」について調査し、その結果を報告書にまとめました。「奈良県に遺された4体の『青い目の人形』-渋沢栄一とギューリック博士が試みた日米親善-」と題した報告書で、奈良県内の小学校などに保存される「青い目の人形」について取材した内容を写真と文章で紹介しています。


この度、渋沢栄一らが人形を通じて試みた国際民間交流活動を広く知ってもらい、人形に込められた平和への思いを「平和教育」に活用していただくために、同報告書を帝塚山大学HP上でも公開しました。帝塚山大学学術機関リポジトリ (nii.ac.jp)


「青い目の人形」は、1927年に米国から日本の子どもたちに日米親善を願って贈られたもので、その数は1万2739体にも及びました。この人形による日米交流を両国に呼びかけたのは、米国のギューリック博士、そして、日本側で人形の受け入れに尽力したのは、渋沢栄一でした。日本からは返礼として58体の「答礼人形」が贈られ、遠い異国の子ども同士の心を結び、理解を深め合う計画が進められたのです。


その後、戦争により日米の関係が悪化したことで、日本では多くの人形が処分され、2021年現在、存在が確認されているのは全国で約300体となりました。奈良県に贈られた人形は144体とされ、今も県内に残るのは、たった4体のみです。


同報告書では、戦禍を乗り越えた「戦争遺産」ともいうべき奈良県の4体の人形を紹介し、豊富な資料と調査結果をもとに「青い目の人形」について解説しています。同時に、人形による日米交流で渋沢らがめざした「世界平和」についても論考。巻末には、教育現場で冊子を利用してもらうことを目的に、末吉ゼミの学生らによる「本冊子の平和教育への活用方法」の提案を掲載しています。(A5版、71ページ、5章、フルカラー、非売品)

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