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2020年11月30日(月)

イベント・講座

生駒市図書館との共催講座「日本を代表する春日龍神信仰」を開催しました

 

IMG_2887.JPG帝塚山大学と生駒市図書館の協働事業である公開講座「日本を代表する春日龍神信仰」を11月25日、生駒市図書会館市民ホールで開催し、特別客員教授の花山院弘匡氏(春日大社宮司)による春日大社の龍神神信仰に関する講演に、110人を超える市民が参加しました。

平成元(1989)年から始まった生駒市図書館との共催公開講座は、本学が取り組む地域連携、貢献事業として地域に深く根付いたものの一つで、今年で32回目の開催となります。

例年は250名を定員とする本講座も、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から定員を半数以下に減じ、感染防止に万全の対策を講じての実施となりました。

花山院氏は、春日大社の龍神信仰は、奈良が古くから雨の少ない盆地で、水不足が命にかかわる重大事であったことに由来すると指摘。『大和物語』に著された、帝の寵愛が薄れたことを嘆き悲しで猿沢池に身投げしたした采女(うぬめ)の物語を紹介しました。もともと猿沢池に棲んでいたとされる龍王はその采女の入水による死の穢れを嫌って春日山の香山(こうぜん)竜王社に移ったものの、そこでも死者が出たことから、後に室生龍穴神社(宇陀市)へ移ったという伝説を交えて、春日大社にまつわる龍神信仰について解説しました。

また、すべての生命の源である水を司る龍神とその龍神が住まう水源地「春日山原生林」に対する人々の厚い信仰は、水道で簡単に水が手に入るようになった明治時代まで特別の意味を持っていたと話しました。