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2011年7月28日(木)

プレスリリース

奈良県下の小学校、中学校、高等学校教員対象のストレスドックセミナー ((財)奈良県健康づくり財団主催、7/26(火)・8/2(火)・8/9(火)・8/10(水)開催)で、本学教員・大学院生・卒業生が講師・指導員を務めます。

ふぁんそん.JPG帝塚山大学(学長:山本良一  所在地:奈良市帝塚山7-1-1)は、地域社会との絆を強め、共に発展していける広く社会に開かれた大学を目指しています。その取り組みの一環として、この度、本学大学院人文科学研究科臨床社会心理領域教授と大学院生が、財団法人奈良県健康づくり財団が主催するセミナー「ストレスドック」で講師及び指導員を務めています。本セミナーは、身体計測・心理検査及びメンタルヘルスに関する講義で構成されており、毎回約20名の奈良県下の小学校、中学校、高等学校教員が受講しています。

初回は、7月26日に奈良県健康づくり財団 健康づくりセンターにて開催され、18名の教員が参加しました。第1セッションでは、東京大学心療内科『TAGⅡ』エゴグラムや、職業ストレス検査OSI、ストレスに関する質問票BSS※1を実施しながら、森下高治教授(帝塚山大学大学院臨床社会心理学専攻教授・大学院連合メンタルヘルスセンター代表理事)と吉田智子さん(臨床心理士・帝塚山大学大学院臨床社会心理学専攻修了・大学院連合メンタルヘルスセンター特別研究員)が、ストレス社会といわれる現代におけるストレスの実態と自己分析について講義しました。午後から行われた第2セッションでは、古淵和佳さん(帝塚山大学大学院臨床社会心理学専攻修了・大学院連合メンタルヘルスセンター研究員)と柳澤希緒子さん(帝塚山大学大学院臨床社会心理学専攻臨床心理学専修2年)によるリラクセーション・タイムを設け、心と体の調和に役立つ「ふぁんそん」(太極拳の一つ)の実技指導を行いました。講師の指導の下、参加者全員が「ふぁんそん」にチャレンジし、ボディワークを通じて、こころと身体がすっきりするような体験を得ることができました。

第3セッション.JPGそして最後に第3セッションとして、コーピング(ストレスの対処法)について森下教授と野田智美さん(帝塚山大学大学院修了/現在京都大学大学院後期博士課程在籍・大学院連合メンタルヘルスセンター研究員)による講義が行われ、グループに分かれて参加者らが普段どのようなストレス対処法を行っているかお互いに話し合い、効果的な対処法を導き出しました。

働く人たちのメンタルヘルス問題は、産業経済の急速な構造変化や、国際的な不況等にともなう労働環境の変化により、働く人の不安やストレスの増大、精神疾患および自殺者の増加など深刻化の一途を辿っています。この問題は、企業・自治体において最重要の緊急課題となっているのみならず、社会全体にとっても喫緊に取り組んでいかなければならない国民的課題となっています。本学及び関西福祉科学大学、帝塚山学院大学では、産業現場での支援活動をさらに充実・発展させることを目的に平成21年5月に大学院連合メンタルヘルスセンター(http://www.mental-health-center.jp/index.html)を設立し、同年11月末に大阪府からNPO法人の認証を得ました。今回の「ストレスドック」は、大学院連合メンタルヘルスセンターの活動でもあります。

また、帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻は、平成24年4月、研究科を独立させて心理科学研究科(博士課程)に改組します。教育研究内容の一層の充実を図り、心理学専修と臨床心理学専修を設置しますが、臨床心理学専修は「臨床心理士」の第一種指定大学院として、活発な活動を展開していきます。

※1・・・BSS:Brain type &Stress Search  森下高治教授監修のもと、野田智美さんの修士論文を下に作成したストレスに関して総合的に調べる調査票。

<ストレスドックセミナーのスケジュール>

10:00  健康診断  (身体計測、身長・体重、体脂肪、腹囲、血圧、採血、BMI、ストレス検査)

10:45  セミナー開始 【第1セッション:ストレスの実態と自己分析】 

演題:「自分を通してストレス問題を探る“自己再発見への旅”」 

【講師】

森下高治 (帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻教授・大学院連合メンタルヘルスセンター代表理事)

吉田智子(臨床心理士・帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻修了・大学院連合メンタルヘルスセンター特別研究員)                                                                                                                                                                                                                                                                                 藤井雄一 (臨床心理士・大学院連合メンタルヘルスセンター特別研究員)

指導員:井上裕美(大学院連合メンタルヘルスセンター研究員)

12:15  昼食

13:15  2セッション:リラクゼーションタイム】

演題:「身体を通してこころをほぐす‘秘策術’


【講師】

森下高治(帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻教授・大学院連合メンタルヘルスセンター代表理事)

神澤創(帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻教授・大学院連合メンタルヘルスセンター理事

古淵和佳(帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻修了・大学院連合メンタルヘルスセンター研究員)

指導員:柳澤希緒子(帝塚山大学大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻修士課程2年)

 

15:30  3セッション:ストレス・コーピングの実際】

演題:「ストレスとの上手なつきあい方‘戦略面の検討’」

【講師】

森下高治(帝塚山大学大学院臨床社会心理学専攻教授・大学院連合メンタルヘルスセンター代表理事)

                                                                                    野田智美(帝塚山大学大学院修了/現在京都大学大学院博士後期課程在籍・大学院連合メンタルヘルスセンター研究員)

藤井雄一(臨床心理士・大学院連合メンタルヘルスセンター特別研究員)

 

16:30   終講

 

会場:奈良県健康づくり財団 健康づくりセンター  (奈良県磯城郡田原本町宮古404-7)

第2セッション 心と体の関係について説明をする古淵さん

受講者の様子 

ふぁんそんを指導する古淵さんと柳澤さん。セミナーを終えて、人に教えることの難しさを感じつつも、前向きに頑張っていきたいと語ってくれました。

第3セッション グループワークの様子。各自のストレス対処法について話合いました。