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2010年12月17日(金)

イベント・講座

経済経営研究所主催特別公開講座グローバル・ビジネス・フォーラムを開催しました

シンポジウムの様子.JPGのサムネール画像12月16日、帝塚山大学経済経営研究所は、「グローバル経済下の観光ビジネス」をメインテーマに、台湾の国立高雄応用科学技大学 副教授の王 明元氏をお招きして、グローバル・ビジネス・フォーラムを開催しました。

フォーラムでは、はじめに帝塚山大学経済研究所長の山口史朗経営情報学部教授による開催趣旨についての挨拶があり、続いて、王氏による基調講演が「中国観光客と台湾観光業発展の実況」と題して行われました。

王氏は、まず、WTTC(世界旅行ツーリズム協会)のデータを基に、観光業と経済の発展の関係性について紹介し、海外からの観光客を台湾に取り込むことが、台湾の重要な観光政策の一つであると述べました。そして、香港、シンガポールの面積や人口が台湾より小さいにもかかわらず、旅行者が台湾を上回っていることを挙げ、その原因として考えられる来台観光客に影響を及ぼした事件として、米国9.11事件(2001年)や、インドネシア・バリ島地震(2002年)、ダライ・ラマ事件(2009年)などを列挙した上で、2008年に中国との関係改善が行われ、観光政策を開放したことで、今後は「自由旅行化」が浸透し、医療ツアーに関するビジネス開拓が望まれる旨を言及しました。

引き続いて、山口教授がコーディネーターを務める観光ビジネスについてのパネルディスカッションが行われ、パネリストとして、日夏嘉寿雄教授(経営情報学部・経営情報学科)と、姜聖淑准教授(経営情報学部 経営情報学科)が参加しました。

受講生.JPGのサムネール画像日夏教授は、「ハウステンボスから見た日本の観光」という切り口で、ハウステンボスの事業と再生手法について紹介し、今後の観光ビジネスにおいて海外顧客の取込みが成功の鍵を握ると提案しました。

姜准教授は、「観光は国家戦略」と述べた上で、韓国の観光ビジネスの取組を紹介するとともに、今後の観光ビジネスの方向性としてメディカルツーリズムの発展等を挙げました。

そして最後に、山口教授が、日本、韓国、台湾の旅行収支は、現状赤字であり、改善のためには外国人旅行客を呼ぶ必要があること、その鍵は13億の人口を誇る中国であることを述べた上で、観光産業の人材育成において日本が遅れをとっていることに言及し、今後観光事業を盛り上げていける人材の育成の必要性を訴えました。 

今回のグローバル・ビジネス・フォーラムには、約80名の一般の方並びに本学学生が参加し、各パネリストらの意見をメモに取るなど、熱心に耳を傾けていました。

 

パネルディスカッションの様子

ハウステンボスの事業再生手法について述べる日夏先生

韓国の観光産業の現状について述べる姜先生