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2010年9月24日(金)

心理福祉学部の取組が平成22年度の文部科学省・大学教育推進プログラムに採択されました

このたび、心理福祉学部が申請した取組「心理福祉分野の学士力基準構築と人材の育成」が、文部科学省の平成22年度「大学教育・学生支援推進事業 大学教育推進プログラム」に選定されました。 全国からの申請件数が298件で、選定件数が30件(選定率10.1%)という厳しい審査を突破しての採択です。心理福祉学部として、平成18年度から20年度の現代GP事業に次いで、2度目の文部科学省関連事業の採択となりました。選定校のうち私立4年制大学は全国でわずか12件、近畿地区では関西大学と本学のみでした。

本取組は心理学・社会福祉学の分野における質の高い学士力を育成するために、心理福祉学部が中心となり、大学院人文科学研究科臨床社会心理学専攻と「心のケアセンター」が協力することで、当該分野における効果的な教育を実施し、地域との連携・協働により、実践場面で活躍できる高度専門的職業人の育成を目指すものです。 

本取組では、国内外の「学位水準基標」を参考にした帝塚山大学独自の「心理福祉分野学士力基準」を構築し、それに基づいて学習成果を適切に評価します。心理福祉分野での学士力として、第一に、専門知識(心理福祉分野での専門的知識の理解とその活用)、第二に、研究実践能力(人間の心や行動、社会的側面を調べる研究手法の習得とその活用)をめざして学生を教育します。さらに、本取組では、第三に、応用実践能力(心理福祉分野での問題解決のための能力育成とその活用)という領域を設定したことが大きな特色です。とくに、応用実践力の分野では、現代社会の問題解決能力を有する心理福祉分野での専門的職業人を育成するという目標を設定して、そのためのカリキュラムを構築します。心理福祉学部のネットワークを生かして、「プロジェクトチーム活動」として、小中学校でのスクールサポーター活動や発達障害児へのグループワーク活動、職業人へのメンタルストレス調査、高齢ドライバー調査などを行います。これらの活動を通じて、実際のフィールドにおいて、学生と教員が一緒に学ぶことで応用場面での問題解決能力を育成します。

また、取組では、心理学と社会福祉学分野で、質の高い学士力を有する高度専門的職業人の育成を図るための教育課程を実現しています(図1)。まず、基礎・理論的講義科目群からなる、心理学・社会福祉学の「コアカリキュラム」を整備します。この「コアカリキュラム」には、学士力基準の「専門知識」と「研究実践能力」の側面を育成する講義科目群や演習・実習科目群が含まれています。「応用実践能力」を育成するために、「対人スキル」、「カウンセリングスキル」、「チームビルディングスキル」に関連する専門・応用的演習・実習科目群を「地域支援カリキュラム」として設置します。また、「プロジェクトチーム活動」により、地域での実践活動を通しての学習をカリキュラムに取り入れています。

事業の支援期間は平成22年度から24年度までの3年間です。これからの取組の実際の様子は順次ホームページ上で掲載しますのでご期待ください。

図1 心理福祉学部の学士力育成のカリキュラムと教育活動の枠組み