帝塚山大学出版会
書籍の紹介
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高まる福祉ニーズに応えるため、帝塚山大学は2004年に心理福祉学部地域福祉学科を設置しました。地域福祉学科は地域社会と連携しながら経験を蓄積してきましたが、2010年度を以て学生の募集を停止しました。
地域福祉学科では教育理念とこの経験を今後の大学教育に引き継ぐために「地域福祉-帝塚山大学地域福祉学科10年-」を刊行しました。
本書では地域福祉学科の教育実践に携わった専任教員、非常勤教員、実習助手、地域福祉を支えてきたボランティアルーム職員だけでなく、ここで学んだ卒業生が各自の視点で福祉について記しています。
またその内容も論文、探訪記、エッセイ、実践報告といった形で記されており、バラエティ豊かな構成となっています。
目 次
巻頭言............................................................................ 杉本 正 ........ 2
地域福祉学科創設を振り返って..................................... 蓮花 一己 ........ 5
現代社会におけるボランティア活動の意義について.............. 柏野 健三 ......... 7
スイスの生殖医療技術における子どもの出自を知る権利........... 才村 眞理 ......... 25
高齢者の「心配ごと」について考える
~高齢者の「心配ごと」3研究のまとめ~ ............................... 木村 泰子 ......... 40
地域ケアのあり方を考える
― 高齢者に対する介護職と地域住民のかかわりについて ― ....高橋 幸裕 ...... 57
インドネシア雑感 ― JICA 社会保障調査をきっかけに ― ............................. 安留 孝子 ......... 73
憲法と福祉
― 地域福祉学科に8年間在籍して ― ................................. 相川 貴文 ......... 89
高齢者と共生する地域社会を.................................................. 野口 晴利.......... 95
ホームレスと生活保護の接点としての居宅保護
― 生活保護法による保護の実施要領の改正過程を中心に ― .... 佐光 健 ... 98
福祉を学ぶ者にとっての現場体験の意義
~福祉現場での経験を学生に伝えながら考えること~ ....... 松端 良之 ......... 113
判断能力が不十分な人を支える権利擁護事業の 現状及び課題について考える ................................................... 山上時津子 ......... 120
実習指導室の業務について ....................................................... 佐野 寛子 ......... 128
帝塚山大学における実習指導室の役割 ................................... 越智 紀子 ......... 134
地域福祉としての学生ボランティアの実践報告 ... 兼松 美幸・小原 令愛 ......... 140
帝塚山大学オープンカレッジの取り組み ............. 小原 令愛・安藤 優子 ......... 153
Thank you All !! .................................................................... 石川 由実 ......... 163
地域福祉学科で学んだこと ....................................................... 山口 侑祐 ......... 165
4年間の大学生活への感謝 ....................................................... 日髙 宏元 ......... 168
年表 地域福祉学科10年のあゆみ ......................................................................... 170
写真で振り返る地域福祉学科 .............................................................................. 174
編集後記 ........................................................................................................... 176
執筆者一覧 ........................................................................................................ 177
地域福祉学科の関係者がこの10年に培った思いをこの記念誌ともいうべき本に注ぎました。さまざまな関係者の足跡、そして、その理念や価値観をくみ取っていただけたら幸いです。
地域福祉の理念は、それぞれの人がそこ に個性豊かに存在するだけでなく、人と人とのつながり、大学内だけでなく、地域の機関・施設とのネットワークなど、大きくその羽を広げ、どんな人も差別せず、インクルージョンしていくという理念であり、地域福祉学科関係者はそういった理念をもって、研究・教育活動、地域での福祉実践活動などを行ってきたと自負しています。
その理念の遂行は、帝塚山大学の未来 にも役立つと思われ、今後も継承されることと期待します。日本だけでな く、世界にも目を向け、常に前向きに、既存のルールや制度に縛られること なく、チャレンジ精神をもって、それぞれの関係者は今後も歩んでいくこと と思います。この本を手に取っていただき、ありがとうございました。