特別展示


第17回 特別展示 「遠く離れた兄弟瓦」

建物の軒先を飾る古代の軒瓦には、複数の遺跡から全く同じものが出土することがあります。それは同じ型から作られたことを示しています。軒瓦を作る型のことを「瓦当笵」と呼んでいます。同笵品が複数の遺跡から出土するのは、その瓦が一方から他方へ運ばれたからかも知れません。しかし、瓦は重いものですから、かなり遠い所から同じものが出土した場合には、瓦当笵が移動したと考えねばなりません。その際に瓦を作る技術者、瓦工も一緒に移動した場合と、瓦当笵だけが持ち込まれた場合があります。 また、全く同じ文様ではないのですが、最初に作られた軒瓦によく似た文様をもつものが離れた地域の遺跡から見つかることもあります。おそらく、文様を示した図面がもたらされてその地で瓦当笵が作られたのでしょう。そのような軒瓦を同系品と呼んでいます。各地の軒瓦を見ていますと、そのようなものが随分多くの地域で見られます。今回の特別展示ではそうした資料を観ていただこうと思います。
 今回の特別展示にあたりましては奈良文化財研究所と奈良市埋蔵文化財調査センターから多く瓦類を拝借しました。厚く御礼を申し上げます。
展示/開催期間 平成24年4月14日(月)~5月26日(水)
休館日:日曜・祝日・大学休校日
※4月29日(日)~5月6日(日)は休館します
展示解説 4月14日(土)・5月12日(土)15:45~
4月17日(火)・5月15日(火)13:45~
その他・資料 その他・資料

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