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2016年9月8日(木)

【日本文化学科】中島一裕教授発見の谷崎潤一郎直筆はがきが朝日新聞で取り上げられました

 

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本学科の中島一裕教授(日本語学)が発見した谷崎潤一郎直筆のはがきについて、8月17日(水)の朝日新聞(兵庫版)「強いられた沈黙 戦後71年」のコーナーで取り上げられました。

1945年3月ごろの筆とみられ、谷崎が知人に対して、はがきを創元社の内藤宅に持って行けば「細雪」を渡すよう手配することを案内したものです(写真)。「細雪」は軍部から「時局にそわぬ」と連載を中止させられていました。谷崎はひそかに原稿を書き続け、創元社に依頼して250部ほどを印刷し、出版社名のない「地下出版」として知人に送りました。

中島教授は「芸術的な良心を貫いた作家と、危険を承知で出版した人たちの思いが、はがきから伝わってきました」とコメントしています。

本学科では、文学と歴史が一緒に勉強できるのが魅力の一つです。直筆のはがきを手がかりに谷崎の「細雪」にかけた思いを明らかにしたように、歴史の中で文学がどのように生み出され、享受されていたのかを、深く読み込んでいきます。