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2022年8月24日(水)

【大学院心理科学研究科】心理科学への道(3) 心理科学研究科の誕生

   平成18(2006)年に開設した臨床社会心理学専攻ですが、教員の研究室は学園前キャンパスにあり、授業も学園前キャンパスで行われていました。しかし専攻は人文科学研究科に属しており、しかも人文科学研究科の中核は東生駒キャンパスにありました。このことは、少なくとも運営上においては、スムーズではない面があったのではないかと思われます。

 また、学部の方をみると、平成11(1999)年に開設した人文科学部人間文化学科が平成16(2004)年には心理福祉学部として、人文科学部から改組しました。そんなこともあり、当時の大学院を担った先達の先生方は、「大学院も、もう心理学が独立してもやっていけるのではないか」という感触を持たれたかもしれません。

 さらに、臨床社会心理学専攻は臨床心理学と社会心理学をベースとしていましたが、「人間」をテーマとするこれらの領域においては、単に人間関係の問題にとどまらず、より広い心理学の知識や技能も求められていることなどから、心理学の科学的側面と実践的側面の両者を重視して、「心理学を中核とする人間行動研究を基盤として社会問題の解決を図る」ことを目指す取り組みが必要であるとの認識が教員間でも持たれるようになりました。

 このような、「心理学が独立してもやっていける」という感触と「もっと奥の深い研究科を目指して」という認識は新たな動きを生むこととなります。そして、ついに平成24(2012)年4月に大学院心理科学研究科心理科学専攻が開設されることとなりました。本学に心理系の大学院が誕生してから6年目のこととなります。

photo1_心理科学研究科第1期生(通算第7期生)への新入生オリエンテーションの様子

photo2_新入生に歓迎の辞を述べる森下高治研究科長(当時)