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2022年4月16日(土)

【大学院心理科学研究科】心理科学への道(1) 誕生以前のこと

令和4(2022)年4月1日。帝塚山大学大学院心理科学研究科は開設からちょうど10周年を迎えました。そのことを記念して、心理学系大学院の設置から心理科学研究科の歴史を振り返るシリーズを連載したいと思います。

第1話は大学院の誕生以前の話からです。

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帝塚山大学は昭和39(1964)年に開学し、その後さまざまな発展を遂げ、平成3(1991)年には経済学部(当時)を基礎として、本学初の大学院である「経済学研究科経済学専攻(修士課程)」を、2年後の平成5(1993)年には博士後期課程を開設しました。こうして、いよいよ本学においても、より高度な教育研究を指向する体制ができました。

さらに平成8(1996)年には、教養学部(当時)を基礎とした「人文科学研究科日本伝統文化専攻(修士課程)」を開設し、2年後の平成10(1998)年には博士後期課程を開設しました。そして平成13(2001)年には法政策学部(当時)を基礎に「法政策研究科世界経済法制専攻(修士課程)」が、また平成15(2003)には博士後期課程が発足しました。

このように、本学において大学院教育が充実していく中、心理学系の大学院の開設への期待はなかったわけではなく、大学教養学部から人文科学部への改組(平成11(1999)年)の頃には開設を視野に入れていたようです。そして、平成16(2004)年に人文科学部人間文化学科が心理福祉学部へと改組することとなり、「機は熟した」とばかりに動き出します。

平成17(2005)に、市民の心の健康や生活上の悩みなどの諸問題に関して自立生活支援を行う目的から「心のケアセンター」が設置されましたが、このことは心理系大学院開設への大きな原動力となりました。

そして平成18(2006)年4月、人文科学研究科内に「臨床社会心理学専攻(修士課程)」が設置され、本学にも心理学系の大学院が開設することとなりました。臨床社会心理学専攻は、「心の時代」に正面から取り組むために、「市民への心のケアとサポート」と「安全で安心できる社会システムの構築」を目指し、「臨床心理学専修」と「社会心理学専修」の2専修から構成されました。

さらに臨床社会心理学専攻は、平成19(2007)年4月に日本臨床心理士資格認定協会から、臨床心理士試験を受験できる第1種大学院の指定を受けることとなり(現心理科学研究科心理科学専攻に至る)、臨床心理士を養成できる大学院として認められることとなりました。

これが、「心理科学への道」のはじまりです。

ついに心理系大学院が誕生(帝塚山大学歴史館〔東生駒キャンパス3号館1階〕の年表より)