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2022年3月17日(木)

帝塚山大学と心理学(12) これからの心理学部

このシリーズでは、帝塚山大学において心理学教育がどのように展開されていったのかについてみていきました。本学での心理学教育は、開学(昭和39(1964)年)時から始まったものの、最初は一教養科目の開講にすぎませんでした。それが50年足らずの間に心理学部の開設(平成23(2011)年)にまでに成長し、その心理学部も10年の歳月を重ねました。

心理学部は現在、「実験心理」、「社会・応用心理」、「臨床・発達心理」の3分野を軸としたカリキュラム構成となっていますが、各教員の専門領域はさらに細分化しています。各教員の研究のキーワードをざっと並べてみると、

知覚・感覚、運動制御、VR(バーチャル・リアリティ)、条件づけ、行動論的アプローチ、対人関係、恋愛、親密性、性格、司法・犯罪、リスク認知、産業、交通、事故分析、地域支援、家族、子ども、発達障がい、ペアレント・トレーニング、心理臨床、カウンセリング、グループ・アプローチ、不登校、ひきこもり、適応、思春期、青年期、ストレスマネジメント、生涯発達、認知症、高齢者、心理査定、心理教育、夢、無意識……

と、実に多彩です。この多彩さも成長の証といえるかもしれません。とはいえ、心理学部もやっと10年を過ぎたばかりで、まだまだつぼみの段階です。

ところで、現代社会は「SDGs」や「Society 5.0」などの新たなキーワードであふれ、世界は「多様化の時代」へと変化しています。心理学部はそのような変化に向き合えるアイテムをたくさん備えてきたつもりですが、変化のスピードは私たちの想像をはるかに超えるものになるでしょう。そのような中で、これからの心理学部はどうなるのか。こればかりは簡単に予想できるものではありません。

しかし、帝塚山大学の心理学教育は、これまでも社会の変化に対応しながら発展していきました。その流れは今後も変わらないでしょう。だから、10年後の心理学部はさらにアップグレードしているに違いありません。そして、20年後、30年後……を考えると、本当にワクワクしてきます。

私たち帝塚山大学心理学部は、今後とも「社会の要請に応え得る教養と創造力を備えた人材を育成する」という目標を堅持し、多様な心理学の知識や技能を活かして社会に貢献できる人々を数多く育てていくことをお約束し、このシリーズを終えたいと思います。

次の時代への開花を待つ(3月16日撮影)