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2021年10月15日(金)

帝塚山大学と心理学(7) そして心理学部へ

ここまで、帝塚山大学の開学から「心理学」という分野がどのような位置づけにあり、本学での専門的な教育としてどのような発展をしてきたかをみてきました。

少しおさらいをすると、本学開学当初は、教養科目のひとつとして教えられていたにすぎなかった心理学が、社会のニーズやさまざまな方々のご尽力を得て、平成11(1999)年に教養学部人間文化学科の一領域として、専門的に学べるようになりました。その後も発展をつづけ、平成16(2004)年には心理福祉学部心理学科が誕生し、本学における心理学教育はさらに成長していくことになります。

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心理福祉学部は平成19(2007)年4月に完成年度(第1期生が卒業年次に至る)を迎えました。その前年の平成18(2006)年4月に大学院人文科学研究科に臨床社会心理学専攻が設置され、翌年(平成19年)4月に、同専攻臨床心理学専修が日本臨床心理士資格認定協会より「臨床心理士第一種大学院」の指定を受けたことなども追い風になってか、心理学科は志願者数も増え、順調に発展を遂げていきました。

そのような流れも受けて、平成23(2011)年4月より心理福祉学部は心理学部へと名称変更することとなりました。これが現在の心理学部のはじまりです。

とはいえ、新学部は健康心理学やスポーツ心理学に関する科目を若干追加し、定員も90名から100名に変更した程度で、これまでの心理学科の理念や教育システムなどには大きな変更はありませんでした。

当初の心理学部は「臨床・発達心理分野」「社会・応用心理分野」「実験心理分野」「健康・スポーツ心理分野」という4つの分野を柱とし(※現在の心理学部の柱は、「臨床・発達心理分野」「社会・応用心理分野」「実験心理分野」の3分野です)、心理や行動に関する諸問題を心理科学的アプローチで読み解く能力を習得し、人間の心理を理解し、心のケアや心の通い合う社会づくりができる人材の育成を目指しました。

また、平成24(2012)年度ごろから、日本心理学諸学会連合が運営する「心理学検定」の受検を本格的に奨励するようになりました。さらに、キャリア支援にもますます力を入れるようになり、「就職に(も)強い帝塚山心理」という合言葉ができたのもこの頃でした。

その他、大学院や学部を牽引してこられた三木善彦先生(平成30(2018)年逝去)が平成24(2012)年3月でご退職されましたが、同年の春の叙勲で、藍綬褒章をお受けになるという喜ばしいニュースもありました。

心理学部になって初の新入生合宿オリエンテーションの様子。

三木善彦先生の「マジックショー」は以前からの恒例でしたが、この年の新入生のみなさんも、先生の話術とマジックにとても和んでいました。