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2021年4月20日(火)

帝塚山大学と心理学(1)― 本学における心理学教育の黎明

帝塚山大学心理学部は今年度で開設10周年を迎えました。このことを記念して、心理学部ニュースではこの1年間、帝塚山大学と心理学の関わり、心理学教育を行う学部・学科の開設から今日の心理学部に至る道のりを連載していきます。どうぞお楽しみください!

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第1話:本学における心理学教育の黎明

帝塚山大学は「近代精神を深く理解し、国際的な広い視野から物を考え、その上に立って、真の日本人としての自覚と、日本文化に対する高い見識を持った人間育成を目標とする」という教育理念のもと、昭和39 (1964) 年に開学しました。

当時は「教養学部 教養学科」という一学部一学科の単科大学でしたが、上記の理念に基づき、「近代精神に対する深い認識」、「日本文化に対する高い見識」、「国際的関係に対する広い視野」という観点からカリキュラム(教育課程)が編成されました。

そのような中、「心理学」に関する科目は開学当初から人文科学系の一般教養科目として開講されました。大きく捉えれば、本学における心理学の萌芽は開学当初からあったといえるかもしれません。しかし、心理学的な専門性を有した人材を育てるためというよりは、単に教養のひとつとして開講されていたにすぎないというのが実情でしょう。

その後、大学のカリキュラム改変が行われ、昭和41 (1966) 年度には教職課程の設置に伴い教育心理に関する科目が開講され、昭和45 (1970) 年度には社会科学系一般教養科目に、新たに「社会心理学」が開講されています。さらに、男女共学を迎えた昭和62 (1987) 年度には、一般教養科目の「心理学」がなくなって「社会心理学」のみとなりましたが、教養学部専門教育科目の「社会と情報コース」において、人間科学領域として「行動科学」・「発達心理学」・「人間形成論」・「家族論」といった科目が開講され、本学における心理学教育はますます専門性を増していくことになります。

また、大学の社会教育活動の一環として、公開講座や講演会などが一般向けに開講されるようになりましたが、昭和55(1980)年には多田敏行助教授(当時)が地域社会向けに「心理学一般(一般教育科目としての心理学)」の講義を13回にわたり開講し、昭和62(1987)年には蓮花一己講師(当時)が「交通と人間/危険予知による安全運転」というテーマで講演を行うなど、本学において地域社会に心理学を発信する試みも見られるようになりました。

しかし、心理学を体系的に学び、心理学の知識と技能を活かした人材を育成するようになるのは、まだまだ先の話となります。

帝塚山大学歴史館(東生駒キャンパス3号館1階)

歴史館では帝塚山大学のさまざまな歴史を知ることができます