2021年9月16日(木)
帝塚山大学と心理学(6) 心理福祉学部心理学科とは
平成16(2004)年に開設された心理福祉学部心理学科は、1)地域の福祉や街づくりの分野で、心理学全般の知見を生かしてプランニングや実践活動のできる人材、2)さまざまな社会的ネットワークと協力し、社会行動実験や社会的態度調査を活用しつつ、企業や行政・社会組織への社会・応用心理学からのサポートと問題解決のできる人材、3)地域社会や企業の中で、予防的なカウンセリングやグループワークを実践できる心理臨床分野での人材を養成することを目標としました。
心理学科の教育では、心理学への心構えにはじまり、研究手法の習得(実験・検査法、統計解析など)や、「基礎心理」「社会・応用心理」「発達・臨床心理」の3分野を体系的に学べるようにカリキュラムが組まれました。
一方、世間は「資格志向」の時代に入り、入学後にどのような資格が取得できるのかということも、大学選びの重要なポイントとなってきました。そこで、心理学科では認定心理士資格のほかに、精神保健福祉士(受験資格)、初級産業カウンセラー(受験資格)、訪問介護員(2級)などの取得を目指せるような科目配置を行い(※現在の心理学部では、精神保健福祉士受験資格や訪問介護員2級取得に必要なカリキュラムは開講していません。また産業カウンセラーは、現在は大卒(学士)だけでは受験資格が得られません)、さらに臨床心理士資格等の取得を目指して大学院への進学を希望する学生を支援するために、「心理学特別演習」という科目(現「心理学特別演習Ⅰ・Ⅱ」)も開講しました。
心理学科は総合的に心理学が学べるだけでなく、社会人養成教育の一環として、グループワークや体験学習、フィールドワーク、ボランティアを重視しました。また、科学的な視点を重視した脳神経科学分野なども導入しました。さらに、アドベンチャー・カウンセリングや動物介在活動などのユニークな試みを取り入れることで、他大学の心理学部・学科との差別化を図り、高校生のみなさんや保護者の方々、高校の先生方にも受け入れてもらうことができました。
心理福祉学部の実績として、平成18(2006)年には、文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に「『心のケアとサポート』人材養成と自立支援―地域の活性化と安心・安全な社会の創造のための実践的教育―」が、平成22(2010)年には、同省「大学教育・学生支援推進事業 大学教育推進プログラム」に「心理福祉分野の学士力基準構築と人材の育成~心理福祉分野における実践力を備えた高度専門的職業人育成のための地域支援教育カリキュラムの再編成」がそれぞれ採択されました。また、平成18(2006)年には、生駒市と「学びのサポーター派遣事業に関する提携協定」が締結され、翌年には「学びのサポーター」として生駒市内の小・中学校に学生を派遣しています。
フィールドワーク(交通調査の様子)
心を「科学」する
アドベンチャー・カウンセリング
動物介在活動(アニマル・セラピー)