News

2015年4月9日(木)

末吉法学部長よりご挨拶

帝塚山大学法学部へ、ようこそ!

帝塚山大学は1964年に教養学部教養学科を擁する単科大学として奈良の地に設置され、2014年に50周年を迎えました。法学部は、このような歴史と伝統の中で1997年に法政策学部法政策学科として東生駒キャンパスに誕生しました。その後、2006年には法政策学部公共政策学科とビジネス法学科の2学科制に改組し、2010年に現在の法学科に改組しました。

先月末の卒業式では法学部法学科に改組してから2期生が社会へと巣立っていきました。法学部は常に社会の変化や要請される人材養成への期待に呼応しながら、そのあるべき姿を常に模索し、発展して来たのです。

奈良県唯一の法学部である帝塚山大学法学部の特徴は、近年よく知られるようになった「警察官・消防官合格プログラム」を中心とした多彩かつ体系づけられたカリキュラムにあり、社会に有為な人材を輩出することを人材養成目的として掲げています。

学生諸君が日本全国の数多の大学の中から帝塚山大学の法学部を選んでくれたことに感謝すると同時に、チャレンジ精神を常に持ち続け、何にでも意欲的に取り組んで欲しいと思っています。もちろん、諸君を見守り、時に後押しする教職員の熱意は既に準備万端の状態にあります。

 

 

法学部での学び

法学部で学ぶひとつの醍醐味は、法というものを通じて社会の制度や諸事例を知り、そして考えることができるというのみならず、自分や家族を護るための方法や手段を身に着けたり、より良き社会を創ったりすることができるという点です。

法学部が掲げる人材養成目的(学則第4条)には、以下のように定められています。

「豊かな法学的素養と確たるリーガル・マインドを備え、適切な問題解決に不可欠な政策的思考力をも有し、かつ、グローバル化に対応できる国際感覚を身に付けた人材の養成を目的とし、この目的を達成することによって、市民参加型の「法化社会」の実現・維持・発展の一翼を担う法学部出身の公務員、企業人、そして前二者を含む一般市民を育成し、同時にまた、21世紀の国際社会に貢献することで日本を支えていくことができる人材を輩出する。」

法学部での行われる教育は、以上のような人材養成目的に記される通りですが、その他、法学部が掲げる3つのポリシー(ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)、アドミッション・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)、カリキュラム・ポリシー(入学者受け入れの方針)も法学部での学びの羅針盤となっています。

法学部での学びは、どこか語学を習得する過程と似ており、地味でコツコツ努力を重ね基礎を積み上げなければ自らの血となり肉とはならないものでしょう。また、ただ単に教科書に書いてあることを暗記するだけで十分というような簡単な学問ではありません。

時には答えのない難問に直面した際に、悩み、そして苦しみ、しかしそうした状況にありながらも同時に学問の喜びを感じつつ、継続的な学びを通じて初めて「なんとなく自分のものになる」感覚ともいうべきでしょうか。そういえば、前法学部長の飛世昭裕教授は、ベートーベンの「苦悩を通じて歓喜に至る(Durch Leiden Freude.)」という言葉を新入生に贈っていました。

法学部での教育ではしばしば「リーガル・マインド」が言及され、これは「正義や公平のココロ」と説明されますが、こうした概念も各人が様々な経験を通じて少しずつ身に着け、形成されていくのだと思います。また、そうした過程に終わりはなく、人間がその生涯を終えるまで続く不断の学びであると考えます。

誰しも大学から始める法学部での学びは一見困難なものに見えるかもしれません。しかし、帝塚山大学の法学部は、多様な入門科目から専門科目までをしっかりと学べるカリキュラムが用意されています。学生諸君には、法学を学べる喜びと醍醐味を4年間かけてじっくりと味わってほしいと思います。

 

 

「不退転の決意」

混迷する時代を生き抜くには、上で述べたようなリーガル・マインドを備えるだけでは十分ではありません。人間が成長するためには何が必要か。それは成功体験と同時に失敗経験でもあり、結局は何にでも挑戦し続ける決意と不断の努力ではないでしょうか。

新入生には「前後際断」という言葉を贈りました。過去(前際)の失敗や未来(後際)への不安も断ち切って、とにかく現在(いま)を懸命に生きる。学生諸君には、この言葉を肝に銘じつつ、学生時代に様々な経験を積むことで、人間としてひと回りもふた回りも大きく成長して欲しいと思っています。

法学部のスローガンは「不退転」です。辞書を紐解けば、「信念を持ち、何事にも屈しないこと」と出てくるわけですが、帝塚山大学法学部の教職員も一丸となり、「不退転の決意」をもって学生の教育に携わる所存です。学生諸君も「不退転」の決意をもって学び、そして社会に貢献できる人間へと自己を成長させて欲しいと思います。

2015年4月1日 法学部長 末吉 洋文

法学部のスローガンは「不退転」!