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2010年8月10日(火)

「平和学」で被爆体験者の講演「つなぐ平和への思い」を実施しました

7月26日(月)に「平和学」(担当者:末吉洋文准教授)の最終講義において被爆体験者の講演を実施しました。

ユニセフ兵庫県支部の会長である竹本成德(しげのり)氏をお招きし、「つなぐ平和への思い」と題し、ご自身の被爆体験についてご講演いただきました。竹本氏は、中学2年生の時、広島で爆心地から数百メートルのところで被爆したにもかかわらず奇跡的に命が助かった体験について、当時の詳細な状況を踏まえつつ、そして身振り手振りを交えながら受講生に熱く語りました。

受講者からは、「平和が当たり前の日本に生きている僕にとって、竹本さんの話はとても貴重でした」(4年生男子)という感想や、「戦争の恐ろしさを痛感したとともに、人と親子と家族の絆の深さを感じた」(1年生女子)、「竹本さんのような被爆者の話を、現在、核兵器を保有している国々の首脳に話すべきだと思った。そうすれば、彼らの核に対する考え方も多少変化するのではないだろうか」(1年生男子)、そして「平和のために、将来のために、核兵器を廃絶するべきだと思った」(1年生の中国からの留学生)等の感想の声がありました。

本学部の「平和学」の講義は、学生が平和の問題について積極的に考え、自身の意見を語ることができるようになるよう、毎回の授業アンケートの実施を行うとともに、様々な角度から平和の問題にアプローチをするというものです。受講生はこれまでにも様々な問題について学んできましたが、今回の竹本成德氏のご講演によって前期最後の講義を締めくくるにふさわしい時間となりました。

なお、ご講演の内容ともなったご自身の体験談は、御著書『さいごのトマト ヒロシマを、わたし自身の「ことば」で』(コープ出版、2010年)としても出版されていますが、この度、竹本氏より本学図書館に1冊寄贈して頂いたことをお知らせします。

<竹本成德氏プロフィール>
1931年生まれ。広島市出身。
旧制広島修道中学校2年生の時、広島市において被爆。
1993年~2001年コープこうべ理事長、日本生活協同組合連合会会長。
現在、(財)日本ユニセフ協会兵庫県支部会長。

学生の前で力強く講演する竹本さん

留学生にとっても貴重な経験に