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2010年12月16日(木)

11月のACAP提供講座-第5回明治乳業株式会社、第6回パナソニック電工株式会社、第7回花王株式会社

特殊講義「企業実務と顧客満足」の第5回、第6回、第7回講義を、11月10日、17日、24日にそれぞれ行いました。

第5回の講師は明治乳業株式会社関西支社お客さま相談室の石津一成氏。講義では、「お客様に満足をいただける為の取組」と題して、顧客満足度を向上させるための明治乳業の取組、取組にあたっての基本的な考え、明治乳業の取組の特徴をお話いただきました。

アイスクリームやヨーグルトなどの製品について生じた事例や賞味期限などの表示に関連して生じた問題を取り上げ、クレームの対応についての考え方をお話いただいたことは、企業の顧客への対応指針を知る上で学生にとって非常に勉強になったことでしょう。また、お客様相談室の相談員がすべて栄養士であることや、34年前から赤ちゃん相談を開設している点など、乳製品を扱う会社ならではの取組は、業種による顧客対応の多様性を知る上での好例であったように思います。

第6回講義はパナソニック電工株式会社CS部の中村一雄氏をお招きして、「CS(顧客満足)からCD(顧客感動)へ」と題して、消費者啓発活動を中心としたパナソニック電工の取組みをお話しいただきました。

留学生も含め知らない者のいない創業者松下幸之助氏の経営理念の継承やそれに基づいた職場運営から始まる講師のお話は、すぐに学生たちの関心を引き付けたようでした。続いて、真のお客様主義を実現するために、パナソニック電工が取り組んでいる様々な消費者啓発活動を紹介され、これらを通じて不満と苦情を未然に防ぎ、社会貢献を果たすと同時にブランド価値の向上にもつながると語られたことは、学生たちには企業のブランド活動を理解する新しい視点を提供したことでしょう。また、中村講師は製品のリコール問題についても率直に語られ、そのお話から消費者保護に対する真摯な態度を感じ取ることができました。

第7回講義は花王株式会社生活者コミュニケーションセンターの金谷郁穂子室長をお招きして、生活者の声を企業活動に生かした花王の事例についてお話いただきました。金谷講師はまず生活者コミュニケーションセンターの役割を、従来のような苦情処理係にとどまらず、消費者とコミュニケーションする係であると説明され、消費者と企業との間の双方向の発信の重要性を強調されました。消費者からの発信を、消費者や市場環境の変化を掴む貴重なチャンスと考え、「経営資源」として捉える考え方を披露された点は、学生たちに企業のCS活動を理解するうえで重要なヒントを与えたように思います。

また、金谷講師は生活者の声を生かした花王の事例を、自らの経験も交えて紹介してくださいました。苦労話もありましたが、講義中終始笑顔を絶やさないところは、さすがにお客様対応のプロだと思いました。授業の最後に、「どのような人がお客様相談の仕事に向いているか」という学生の質問に対して、「世話好きな人」と答えられましたが、きっとご自身もそうではないでしょうか。受講生たちにも、将来何名かが金谷講師のような素敵なお客様対応のプロになることができればと思いました。

石津講師のお話に聞き入る受講生たち

力強く受講生に語りかける中村講師

笑顔で講義する金谷講師

学生との質疑応答に臨む金谷講師