News

2025年8月7日(木)

【日本文化学科】「夏休み 高校生のための歴史体験学習~めざせ!古文書レスキュー隊!~」を実施しました

文学部日本文化学科では、8月5日(火曜)に「夏休み 高校生のための歴史体験学習〜めざせ!古文書レスキュー隊!〜」を開催しました。

この歴史体験学習は、オープンキャンパスよりもっと深く、大学での学びを感じてもらおうと企画しているもので、今回は、近世史の岡島永昌准教授が講師となり、古文書を読むことを基本とする体験をしていただきました。

参加してくださったのは、大学への進学を考える高校生5人と保護者の方3人、高校で教員をされている方1人、シニア世代の方2人で、そこへ文学部教員1人、近世文書プロジェクトの活動に参加している学生3人と院生1人が加わって、総勢16人でおこないました。

大学での学び体験として用意したのは、大学が所蔵する天保13年(1842)「宗門御改帳」でくずし字を読み、そこから江戸時代の家族について考えようというものです。宗門改め帳とは、村人全員がキリシタンでないことを領主に届け出るもので、一方で村の住民台帳としての役割もありました。

くずし字は、決して1日で読めるようになるものではありませんが、世帯ごとに書き上げられた続柄や年齢ならば、ある程度予測しながら読み解くことができます。みなさん最初は戸惑っておられましたが、すぐに熱中され、どんどんチャレンジされていました。

また、4人ずつの4グループになって、宗門改め帳に見える江戸時代の家族形態について気づいた事柄を出し合い、全員でブレインストーミングしていきました。参加者からは「家父長制的な家族をイメージしていたけど違った。」「江戸時代を生きた人がリアルに感じられた。」といった感想が寄せられました。 体験学習をつうじて、覚える歴史ではなくて、「考える歴史」の楽しさを感じてもらえたことと思います。

学生・院生たちは、グループでの話し合いを上手にリードしてくれていました。価値が理解されないままに捨てられてしまいかねない近世文書を、調査することで保存につなげる「古文書レスキュー」に、ますます貢献してくれるのではないかと心強く感じました。