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2025年7月3日(木)

【日本文化学科】ならまち散策を行いました

1年生向け科目「学外実習」は、現地に出かけて本物に触れながら学ぶ体験型授業です。年間40回以上の企画から、学生たちはそれぞれに行きたいと思うものを選んで参加します。

6/28(土)は、1年生「学外実習」と2年生「日本文化演習A」河口クラス(地域文化・異文化交流)の合同授業という形をとって、ならまち界隈を散策しました。ならまちは、世界遺産の元興寺の旧境内を中心とする地域で、伝統的な町家建築が多く残っており、近年、観光地として人気が高まっています。

今回訪問した奈良町資料館では、南哲朗館長のご案内のもと、当地で長く受け継がれてきた生活の知恵に触れながら、SDGsやESD(持続可能な発展のための教育)といった現代社会の課題について学びました。また、南館長とのディスカッションを通して、「伝える」ことの難しさと大切さについても学ばせていただきました。

学生たちの感想を紹介します。

「身代わり申の存在自体は知っていたのですが、庚申さんの名前を知っていたわけではなかったので、今回庚申さんの話を聞けて嬉しかったです。京都の八坂庚申堂に行ったことがあるのですが、あのカラフルな飾りも庚申さん信仰だったことに気付くことができました。当時は綺麗なボンボンだなとしか感じていなかったので、知識を得て過去に知らなかったことを改めて理解することができて興味深かったです。また、ESDという言葉は全く知らなかったのですが、説明を受けて、以前ニュースで見た、戦争を経験しなかった世代が戦争を伝えていく取り組みを思い出しました。これもESDと言われる取り組みに入るものではないかと理解が深まりました。」

「実際に奈良の町で使われていた資料に触れて先人達が残してきた物を受け継ぎ、南館長からのお話にもあったように、SDGsの学びを深めて周りに伝えることが大切だと実感した。・・・ 庚申堂の説明を受けた時に私は今まで神社や寺に書かれた厄年については注目したことがあったが、十干についてはあまり考えたことがなかった。奈良と関わりが深い庚辰についての知識をこれから深めていくことで、自分たちのくらしや心がより豊かになればいいなと思った。」

「この前の奈良町資料館の見学はとても興奮するものでした。このように間近で昔の日本の人々が使っていた道具に触れ、その用途を知ることができ、まるでその時代に戻って生活したような気分になりました。多くの古い道具は中国のものとよく似ていましたが、少し違いもあり、それは日本の『畳』生活と中国の『机と椅子』生活の違いによるものだと思いました。・・・ この50年間で世界がこれほどまでに急速に変化したことに思わず感嘆してしまいました。今後もこのように日本の歴史や人々の生活に『触れる』ことができる機会がもっと増えることを心から願っています!」(留学生)