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2024年11月24日(日)

【日本文化学科】ポプラ社の編集者小原さやか先生による特別授業を実施しました

11月22日(金)に特殊講義(創作文芸・出版A)でポプラ社の文芸編集者の小原さやか先生による特別授業を実施しました。
学生たちは事前に、小原先生が編集を担当された彩瀬まる著『なんどでも生まれる』(ポプラ社・2024年)について読書会を行いました。気持ちの優しい青年の茂さんが過酷な職場で精神的に不調になり、祖父母が営む商店街の金物屋に居候しながら、少しずつ回復に向かっていく物語で、チャボの桜さんの視点で描かれます。学生たちの心に深く響き、「良くなったり悪くなったりしながらちょっとずつ前に進む描写がリアルで救われた」「この作品に出会えてよかった」「茂さんと話すことができず、見守ることしかできない桜さんの視点に引き込まれた」といった感想を熱心に話し合い、理解を進めながら準備をしてきました。
小原先生は学生の参考になるようにと、就職活動に苦戦していた頃のことからお話を始めて、編集者の仕事につくまでの過程を具体的に説明されました。さらに、1冊の本が出来上がるまで、すべての工程にかかわる存在として編集者がどのような役割を担っているのか、『なんどでも生まれる』をめぐるエピソードを交えながら、わかりやすく教えてくださいました。色校正の見本なども回覧させていただきました。小原先生は授業終了後も学生の質問に丁寧に対応してくださいました。学生たちにとって、本に向き合い、出版の仕事や今後の生き方について考えを深める本当に豊かで貴重な機会になりました。

学生の感想から一部抜粋します。
「めったに聞くことのできない貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。一冊の本ができるまで、どれぐらいの年月がかかり、どんな工程が行われ、どういった方法で完成になるのか、ふわっとしか分からなかったことを具体的に知ることができました。編集者さんにしか分からない苦労や喜びや心がけを知ることもできたので、本を読む時により深みを味わえそうです。色校の資料も手に取ることができてうれしかったです。」
「自分が思っていた以上に編集者の仕事の内容が充実していて、すべてを見守るプロデューサーという責任のある、けれどもとてもやってみたい仕事だと、より実感することができました。読書日記をこれまでやっていても、これじゃないよな感がすごくてつらかったのですが、もしも自分がはじめの読者だったらと考えて、やってみようと思いました。」
「小原さんと彩瀬さんが実際に相談したこととその結果や実際の校正の目が入った原稿とその詳細など、この授業に参加していなければ、知ること、考えることの出来なかったことを学べて良かったです。良い意味で講義がとても短く感じました。」