2024年9月11日(水)
【日本文化学科】映画監督の指導のもと短編映画のシナリオ制作に挑戦
8月初旬~9月初旬に開講した日本文化学科専門科目「文化発信実習B」(3年次配当、集中講義)では、映画監督の加島幹也先生の指導のもと、映画という芸術・メディアのあり方について学びました。
まず授業期間の前半は、実際に数本の映画作品(加島先生の監督作品「輪違屋糸里~京女たちの幕末」を含む)を鑑賞しながら「観る力」を高めました。そのうえで後半は、受講生それぞれが短編映画のシナリオ(脚本)制作に挑戦し、「考える力」や「書く力」の向上を目指しました。受講生たちは、映像作品のシナリオ特有の「型」に合わせて書くことに苦労しながら、お互いに意見を出し合って、それぞれオリジナルな作品を仕上げていきました。
受講生たちの振り返りコメントをいくつか紹介します。
「映画を見るときは、自分なりに考察や細かい匂わせについて意識しているつもりだったが、あくまで視聴者の目線で見ていて、今回の授業を通して、製作者の視点で映画の構造をみることを知った。… シナリオを描くときに、小説的な表現が用いられないことが難しかった。… 似たようなものだと思っていたが、全く別物だと知った。小説は一人でも書けるけれど、映画を作るときには何十人と人が関わるから、その人たち全員が作品について同じ印象を持つように設計図を作らなければいけない。」
「他の人が作ったシナリオを読むことで、自分とは違う発想、表現方法があり、楽しいと同時に自分の参考になり、いい経験になった。自分の作ったものに他の人から意見をもらうことも、自分が作ったものが読み手にどのように受け取られているのかを知れ、加えて、修正した方がいい箇所も分かるため、とても有意義だった。」
「脚本制作は非常に難しい課題だったが、自分の表現したい世界と真剣に向き合ったことで、想像力や表現力が豊かになった。他の人の脚本も読み、独特で魅力的な世界観に感銘を受けた。また、『自己満足で終わらせず、どのようにすれば自分の伝えたいことを演出家や観客に伝えられるかが大切』と監督が仰っていたが、『相手に自分の思いをしっかりと伝える』ことは映画の世界だけでなく日常にも共通することだと考える。映画は人生を豊かにさせ、映画から学んだことは一生の財産になると感じた。」
この実習を通して得られた学びが、今後、映像作品を観る際に、あるいは、何かしら「型」に合わせて文章を書く際(たとえば、卒業論文やビジネス文書など)に活かされることを願っています。