2024年12月23日(月)
【日本文化学科】株式会社尾田組 尾田安信社長の講演会を行ないました
12/20(金)、文学部と帝塚山学園同窓会の連携事業の一環で、株式会社尾田組 代表取締役社長の尾田安信さん(学園中高OB)をお招きし、講演会を実施しました。
1830(天保元)年に奈良の地で創業した尾田組は、宮大工の伝統技術を受け継ぐ伝統建築のエキスパート。奈良の代表的な伝統行事である東大寺お水取りや春日若宮おん祭りにおいても非常に重要な役割を担ってこられました。尾田組の歴史は、奈良の歴史が凝縮されており、奈良学の生きた教材といえるでしょう。
文学部では、2022年より学生たちがおん祭りをはじめ尾田組の建設風景の撮影に協力する「尾田組連携プロジェクト」を実施してきました。
今回のご講演は、①学園の卒業生から見た帝塚山での生活・魅力、②私の仕事について、③皆さんへのアドバイスという3つのパートで構成されました。 ご講演のなかで、尾田さんは、本学ならではの強みとして①各界で活躍する学園卒業生のネットワーク、②古都奈良の恵まれた環境という2点に触れ、学生たちに対して、これらの強みを活かしてほしいと述べられました。
受講生のコメントをいくつか紹介します。
「普段知り得ない木材や建築についてわかりやすく説明してくださったため、非常に理解が深まりました。奈良に住んでいるため、おん祭りを見に行ったことがありますが、表に出てくる行列や奉納行事にばかり目が行き、裏側から支えている方たちの存在を考えることがなかった。伝統を守り継承するのに様々な人々がかかわっているという事実にも目を向けていこうと思いました。」
「私はレゴブロックのように組み立てて作るものが大好きなのでで、接木のお話はとても興味深かった。昔の物理学が発展していなかった時代の人々が技術の継承を通して強固な建築物を作り出していたのだと考えると、現代にまで通用する接木はすごいものであると感じた。」
「奈良の歴史から私たちの学生の将来までとても密度の高い講演で、どのお話も楽しんで聞いていました。阪神淡路大震災の木造建築に関するデータに驚きました。木造建築は脆い、倒れやすいというイメージから掛け離れたデータで、自分でも調べてみようと思いました。」
「最後のアドバイスで、何かに興味をもったら一歩踏み出してみて、違うなと思ったら戻ればいいというお話がとても印象に残りました。心強かったです。」
「尾田社長は、尾田組が奈良で取り組んでいることを紹介するだけでなく、帝塚山学園の先輩として、どんなことにも挑戦し、どんな結果が出たとしても自分の経験になると励ましてくれた。これからは自分の特性を大事に守って、まずは就職活動をがんばりたい。」