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2024年7月29日(月)

【開学60周年記念事業/日本文化学科】當麻寺護念院 葛本雅崇住職の講演会を行ないました

7月25日(木)に開学60周年記念の学科イベントを行い、学生・教職員を含めて約90名の参加がありました。

文学部日本文化学科は、歴史学、考古学、美術史、民俗学、古典文学、近現代文学、演劇、日本語学、社会学など多彩な学問分野を学べるのが魅力です。それぞれの分野について知る入門的な意味と、分野を横断して多角的な視点で学ぶ楽しさを経験することを目的として、リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」(1年次配当)を開講しています。

今年度の共通テーマは「當麻寺をめぐる奈良学」。7/25(木)の第15回(最終回)におきましては、これまでの4か月にわたる学びの総仕上げとして、「當麻寺プロジェクト」(當麻寺の歴史・文化遺産の保存・活用をめぐる分野横断型の教育研究活動)でお世話になっている當麻寺護念院の葛本雅崇住職をゲストにお招きし、特別講演会を行ないました。

今回のご講演では、當麻寺の伝統行事「聖衆来迎練供養会式」とそれを支える菩薩講の活動に関する当事者目線のお話だけでなく、ご住職夫妻のグローバルな交流(様々な国籍、宗教、職業の方々との出会い・つながり)についてご紹介いただきました。ピックアップされたエピソードの一つ一つが深く、心温まるものばかりであり、授業時間の90分間があっという間に過ぎていきました。

学生たちのコメントをいくつか紹介します。

「既存のものを守るだけでなく、新しい挑戦をする、大切なものを見失わないようにしながら、今を生きるというお話はとても心に響くものがありました。」

「音楽は性別、年齢、人種、国籍を越えて様々な人の心に残り、感動を生む。それは祈りも同じ。祈りは自分のためだけでなく、他人のためにも行なう。宗派に関係なく、皆が誰かのために祈りをささげれば、世界はもっとよくなるはずだ。『音楽は国境を越える。祈りも国境を越える』。この言葉は私の脳に深く刻まれた」。

「今回護念院の住職である葛本雅崇さんの講義を聞いて、偶然の出会いがまた次の偶然の出会いを呼ぶといった不思議さと、その出会いを大切にしながらいろんなことを行っていくその志に強く惹かれました。自分も葛本さんのように出会いを大切にして、この学生生活や人生を過ごそうと思います。」

「お寺のイメージとして、その敷地内ですべて完結するというのが私のなかにあった。人とのつながりも地域内だけと思っていたが、実際はまったくそんなことはなく、世界の人々とのつながりがあって驚いた。様々な縁がうずまき、今の當麻寺があり、これからの発展があると感じた。人との縁だけでなく、様々な縁を大切にしていきたいと思う」。

「これまでもすごく伝統があり、多くの人々がつないできたお寺だと思っていましたが、今回お話をお聞きして、さらに伝統や人間味などを感じ、もう一度當麻寺に行きたいという思いが強くなりました。ご住職が境内の樹齢300年のしだれ桜に対して、今年も咲くだろうと考えず、咲くかなと思う。咲くのが当たり前だと考えないというのが本当に心に沁み、こういったことを自分も大切にしていきたいと思います。」

「今、悩むことがたくさんあり、しんどく感じる日々なのですが、出会いを大切に、それを当たり前と思わず、感謝を忘れず生きていこうと思いました。」

「当たり前に過ごしている日常に『ご縁』など特別な価値を見出していくことの大切さを感じながら、15回もあるのかと思っていた當麻寺の授業も、今日で最後なんだと思うと、寂しくなった。」

「完璧に話すことができないかもしれないけれど、友達や家族に當麻寺のことを少しでも話せたらいいなと思いました。」

受講生の皆さん、ぜひこの授業で得た学びをどんどん人に語ってください!
葛本さま、ありがとうございました!