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2018年7月17日(火)

【日本文化学科】リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」第13回

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歴史や文学など様々な分野を学習できる、日本文化学科の特色を活かしたリレー講義「日本文化への多角的アプローチ」は、7月12日(木)に中島一裕教授(日本語学)による第13回の講義が行われました。共通テーマは「花」です。

中島教授は、「さくらの歌――「桜」の表現史」と題して、古代から現代までの各時代において歌文芸(和歌や軍歌・歌謡曲)の中に見える「桜」の表現をたどり、時代ごとの表現に籠められた考えや思いを読み解きながら、「桜」のイメージの変遷を概説されました。

近代日本の初め、軍国主義と武士道精神の影響により醸成された、散り際の潔さを桜に投影する意識をひとまずの帰結点として、古代からの歴史の流れの中で、生命力の発露(奈良時代以前)、散る美しさともの悲しさ(平安時代)、揺曳する平安時代の意識から派生した死のイメージ(鎌倉時代~江戸時代)と、移り変わってゆく桜の捉え方をたどり、さらに上記帰結点を越えて、太平洋戦争後に前代の価値観への反動から桜を歌詞に持つ歌が消えたこと、現代(平成)になると、歌謡曲の歌詞に桜が増えていくことへと話しは及びました。最後に、なぜ現代に桜を歌詞に持つ歌が増えているのか尋ねられ、受講生はそれぞれにその理由を考えました。