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2018年2月21日(水)

【日本文化学科】リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」第11・12回

「特殊講義(日本文化への多角的アプローチ)」は、多彩なジャンルにわたって日本文化を学習できるという本学科の特色を生かしたリレー講義で、今年度の共通テーマは「食文化」です。

第11回(12月14日)の西尾元伸准教授(近現代文学)の講義では、「日本の食文化と近現代文学─或る病の話─」として、文学作品から「脚気」に悩まされていた近代人の姿が読む取れることに注目しました。白米が中心の食生活によって、ビタミンB不足を招き、特に軍隊で多くの患者を出しましたが、陸軍軍医であった森鴎外も原因を特定できず、対策がとれなかった経緯が知られます。米食という身近な食習慣がもとで、近代に多くの犠牲者が出ていたことに学生たちは驚いていました。

第12回(12月21日)は中島一裕教授(日本語学)が「食とことば」として、食をめぐる日本語の表現について見ていきました。味として認識する言葉も「日本の五味」「西洋の四味」など違いが見られます。また、和食の名付け方には、「月見うどん」のように見立てによる方法など、特徴があることに注目しました。さらに、現代は「ことばで食べる」時代であり、「もちもち」や「焼きたて」といった、ことばのイメージ戦略が考えられていることにも触れました。学生たちは自分がおいしいと感じることばはどのようなものか、その要因についても考察しました。