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2018年6月21日(木)

【日本文化学科】リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」第10回

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歴史や文学など様々な分野を学習できる、日本文化学科の特色を活かしたリレー講義「日本文化への多角的アプローチ」は、6月21日(木)に高田照世准教授(民俗学)による第10回の講義が行われました。共通テーマは「花」です。

高田准教授は、「花-民俗学からのアプローチ-」と題して、民俗学の研究事例を紹介しながら、日本人が生活の場面場面において花にどのような観念を抱いていたか、主に民間信仰の観点からお話しされました。

まず初めに、講義テーマの前提として、「日本の神の特徴」「日本の神祭りの特徴」を解説され、その後「依代」「予祝」「供物」に話題を区切って講義は進みました。

特に時間を割いたのは「依代」としての花で、桜の名はサ(=田の神)+クラ(=座)、すなわち田の神の依代であり、日本人が花見を好むのは豊作の吉凶を占うことに発していることや、正月の門松は本来その材となる松は山から切り出され、そこに山の神が依ること、また山の神は祖先神や田の神と習合していることなど、私たちの生活の中で、特に考えることなく行っている行為に、日本人が伝統的に持っていた心のありようが潜んでいることをお話しされました。また、時折受講生に質問を投げかけられ、学生諸君もその質問を考えながら、自身の体験にいろいろな意味が備わっていたことを、興味深そうに聞いていました。