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2017年2月7日(火)

【日本文化学科】リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」第15回は「近世演劇で描かれた真田家のドラマ」でした

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日本文化学科教員によるリレー講義「日本文化への多角的アプローチ」の後半のテーマは「真田信繁(幸村)」です。第15回(2月2日)は後藤博子准教授(演劇)が担当しました。

これまでの授業を振り返り、無名に近かった真田信繁が大坂の陣での活躍によって注目され、史料が少なかったことでかえって史実を離れ、文学的な人物として創作されるようになっていったという、歴史から文学への流れを確認しました。

江戸時代、講談などを通して人気を集めた真田信繁(幸村)は歌舞伎や人形浄瑠璃でも取り上げられるようになりました。舞台で上演されることで、さらにイメージ形成が進みます。「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)」では、真田信之が徳川方、信繁が豊臣方と敵味方に分かれたという史実をふまえ、脚色されました。兄弟の絆のドラマとして、どのように表現されているのか、本文を読み、文楽と歌舞伎の舞台映像も参照して、読み解いていきました。学生たちは極限状態におかれた登場人物の示す情愛が感動を呼ぶ、演劇の構造を分析しながら、ドラマを深く味わったようです。