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2013年1月9日(水)

【日本文化学科】学外実習で春日若宮おん祭を見学しました

 

おん祭り2012.jpg

12月17日(月)、一回生たちが鈴木博子先生(芸能史)の引率で、春日若宮おん祭を見学しました。これは本物体験型授業「学外実習」の一環で、今回のように真夜中から始まる祭礼を見学できるのも、帝塚山大学ならではの貴重な機会です。

 

春日若宮おん祭は、春日大社の神様の間に生まれた御子神「若宮様」を御旅所にお迎えし、一日遊んでいただくという祭礼で、保延二年(1136年)に始まってから、途絶えることなく続けられ、その神事芸能は国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

16日(日)午後11時に近鉄奈良駅に集合し、一旦セミナーハウスに入りました。鈴木先生から説明を受け、「今年で877回目」ということに改めて驚き、期待が高まります。

17日(月)午前0時、若宮様が社殿を出て御旅所まで移られる「遷幸の儀」(せんこうのぎ)を拝観するため、春日大社表参道に向かいました。参道の脇で待っていると、すべての明かりが消された闇の中、「ヲーヲー」という先払いの声や道楽が聞こえ、道を浄める松明の火が見えてきました。やがて、緊張して待ち受ける学生たちの前を、榊(さかき)の枝を持つ神官たちに取り囲まれた若宮様がゆっくりと進んでいらっしゃいました。学生は鈴木先生から教えられていた通り、二礼二拍手一礼してお見送りしました。

学生は神様が目の前をお通りになるという厳粛な光景に圧倒されたようで、「心臓が緊張でギュッとなった」「すごいものを見た!」といった感想を口にしていました。

セミナーハウスに戻って布団に入ってからも興奮さめやらず、話し合っていた学生たちでしたが、翌朝には皆なんとか起きだし、眠い目をこすりながら授業に出るべく大学へ向かいました。

さらに17日(月)の夕方にも、若宮様に遊んでいただくため、芸能が奉納される御旅所祭(おたびしょさい)見学の学外実習が実施されました。午後6時、大学での授業を終えた学生たちが近鉄奈良駅に集合し、先生の引率で御旅所に向かいました。あいにく小雨が降っていたため、屋根の下でとりおこなわれていましたが、舞楽の美しさは、神様と一緒に観覧しているという経験と合わせて学生たちの印象に残ったようです。午後7時半頃に解散しました。

中には「遷幸の儀」「御旅所祭」両方の学外実習に参加した強者(つわもの)の学生も数名いて、「神様よりも満喫してしまったかもしれない」と、充実感いっぱいの様子でした。