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2012年9月18日(火)

【日本文化学科】「学外実習」古代瓦づくりに挑戦!

「瓦を愛せば笑って見える」

古代の瓦づくりを体験した日本文化学科のある男子学生は、焼く前の粘土状態の瓦にそのように書きました。

日本文化学科では、6月10日、古代瓦づくりの学外実習を行いました。当日の実習には日本文化学科1年生を中心に約20名の学生が参加しました。

初夏の蒸し暑い天候のなか、帝塚山大学東生駒キャンパスに近い、生駒郡平群町の山本瓦工業を訪問し、古代瓦づくりの体験実習をしました。山本瓦工業は平城宮大極殿、唐招提寺金堂や姫路城など数々の屋根瓦の復元などに携わる日本有数の伝統瓦工房です。

午前中は山本瓦工業の会長で日本伝統瓦技術保存会の会長でもある山本清一氏から日本の瓦の変遷などの話を聞き、現代の瓦と古代の瓦の作り方や道具の違いを学びました。午後からは山本瓦工業の職人さんによる古代瓦の製作実演があり、その後、学生たちは軒丸瓦(屋根の軒先に使う文様の入った瓦)の製作を行いました。

学生たちは平城宮と同じ蓮華の文様や奈良の地元キャラクター「せんとくん」が描かれた型に粘土を詰め込み、軒丸瓦を作っていきます。職人さんの仕事を見ていると、粘土のかたまりがとても簡単に瓦になっていくようにみえますが、実際にはそうはいきません。学生たちは重く、べたべたした粘土と格闘し、時にはため息をつきながら、瓦づくりを体験しました。

 古代瓦を作る学生.JPG

それから約1カ月。

焼き上がった瓦が学生たちの手元に届きました!

学生たちは、瓦を手に取り、実習のひと時を思い出し、「瓦話し」に笑顔の花を咲かせていました。

「瓦を愛せば笑って見える」

博物館に陳列された古代瓦も、瓦職人の苦労を体験した学生たちに微笑みかけてくれることでしょう。

日本文化学科の専門科目「学外実習」は、帝塚山大学が古都奈良に立地している利点を活かし、歴史や考古、美術、民俗、文学などの最前線を直接体験する授業です。

山本会長による古代瓦製作実演

瓦を愛せば笑って見える?

焼く前の古代瓦

届けられた古代瓦