2011年7月12日(火)
【日本文化学科】「学外実習」:古代瓦づくりに挑戦!
日本文化学科では、6月26日、古代瓦作りの学外実習を行いました。
日本文化学科の専門科目「学外実習」は、帝塚山大学が古都奈良に立地している利点を活用し、歴史や考古、美術、芸能、民俗、文学などの最前線を直接体験する授業です。この日も梅雨の晴れ間の暑い日にもかかわらず、約20人の学生が参加しました。
当日は、近鉄生駒駅に集合して電車に乗り、生駒郡平群町にある山本瓦工業平群工場に向いました。山本瓦工業会長で日本伝統瓦技術保存会会長でもある山本清一氏は、日本の伝統瓦復元の第一人者であり、平城宮跡大極殿・朱雀門や唐招提寺金堂、姫路城など数々の屋根瓦の復元に携わってこられました。
午前中は山本清一会長から瓦の歴史や古代瓦を復元する道具についての説明を受けました。また、説明のあとには、山本瓦工業の職人の方々による古代瓦づくりを見学しました。熟練した職人の手により、粘土の塊がどんどんと瓦の形に変化してゆく姿は圧巻で、思わず携帯電話で写真を撮る学生もいました。
午後からは、職人の方々の主導により古代瓦づくりに挑戦しました。今回、作成したのは、屋根の軒先に使う瓦である軒丸瓦(のきまるかわら)の瓦当(がとう)部分です。古代瓦の瓦当には型で蓮の文様(蓮華文)が表現されていますが、実習に用意された型は平城宮と同じ蓮華文(れんげもん)や昨年の平城遷都1300年祭で大活躍した「せんと君」デザインの型でした。
型に粘土を詰め込むときには、文様がしっかりと浮き出るように、指で均一な力で押し、隙間ができないようにしなければなりません。また、指や竹ヘラを使い、裏面の余分な粘土や側面も整えます。型を外す瞬間は緊張の一瞬です。職人と同じようにしていても、思うように文様が現われず、思わずため息をつく瞬間もありました。
東生駒キャンパスに帝塚山大学附属博物館には日本有数の古代瓦のコレクションがあります。そうした環境から、授業でもみることの多い古代瓦ですが、実際に瓦作りを体験したことにより、またちがった視点でモノを観察する力が養えたのではないでしょうか。
学生がつくった古代瓦は工場の窯で焼き上げられ、学生の手元に届けられます。
山本会長から瓦の説明を受ける学生たち
古代瓦製作の道具の説明に興味津々
軒丸瓦の製作に熱心に取り組みました
学生たちが作った瓦。このあとの焼き上がりが楽しみです・・・