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2022年2月22日(火)

【食物栄養】2021年度 スポーツ栄養講演会をハイフレックス形式で開催しました!

スポーツ栄養に関心のある学生を対象に学外から3名の講師を招聘して、3部構成の講演会を2月にハイフレックス形式で実施しました。その講演内容の一部と受講生の事後レポートを紹介します。

講演1は、「スポーツ栄養分野でプロをめざすあなたへのアドバイス」で、講師は、早稲田大学スポーツ科学学術院教授・早稲田大学スポーツ栄養研究所所長 田口素子氏でした。

1992年にバルセロナで開催されたオリンピックにおいて、日本で最初に管理栄養士として現地でサポートされたスポーツ栄養の第一人者です。この経験を踏まえて、スポーツ栄養発展の筋道を紹介するとともに、何を心がけ何を学ぶべきかについて講演頂きました。

(事後レポート) 「チャンスの女神は前髪しかない」「良い仕事をすると先が開ける」「プロとして職種を変えない」ということが印象的で、プロとして職種を変えないというという言葉が私にはすごく重みがあった。“チャンスの女神は前髪しかない”という言葉からも分かる様に、何かご縁があった時に挑戦していけるような気持ちを忘れないようにしたいと思った。スポーツ栄養という土台を作ってきてくださった先生のお話をまじかで聞くことができ、挑戦し続けなければならない現場であり、相当な向上心が必要であると感じたが、だからこその魅力も感じた。長い目で目標をしっかりと持ち、今後活動していきたいと思った。

講演2のテーマは「成長期の部活動に対する栄養教育研究と栄養サポートについて」で、講師は、長崎県立大学看護栄養学部栄養健康学科講師 植村(石見)百江氏でした。

スポーツ選手にとって食生活の重要性が認識されるようになり、専門家による選手の栄養教育、栄養や食事に関する自己管理能力の育成に対するニーズが増加している。実践した栄養教育アプローチ内容として具体的な事例を挙げ、ヘルスリテラシー尺度評価が出来るように持続可能な支援が必要であり、個別課題に合わせた行動変容を栄養サポートする上で大切なことや管理栄養士としての基本的なスキルの向上や専門職のスタッフや家族と連携の大切さをお話しいただきました。

(事後レポート) 管理栄養士は貪欲に真理を追求し、常に学び続ける姿勢が重要になることを学んだ。私は授業で分からない所があったらすぐに調べる習慣や、情報を常に更新する習慣をつけようと感じた。栄養指導をする人だけでなく、選手自身が知識として持っていることが競技結果にも良い影響があるのではないかと思った。私もスポーツ栄養をもっと勉強したいので、まずは基本的な勉強を頑張ってスポーツ栄養の勉強に繋げたい。

講演3のテーマは「修士の研究内容と栄養指導の実践について」で、講師は、武庫川女子大学食物栄養科学部食創造科学科助手 諸井美樹氏(帝塚山大学食物栄養学科卒業生)でした。

修士課程の研究で、高校女子競技選手を対象に、女性アスリートの三主徴(FAT)の実態調査を行った。近年、FATやアスリートにおける相対的なエネルギー不足(RED-S)が問題視され、予防の重要性が報告されているが、高校生のFATに関する調査はあまり行われていません。調査で得られた高校女子競技選手のFATの実態や現在行っているアスリートへの栄養指導の実践内容とともに、卒業生の立場から進学の動機や就職活動などについてもお話しいただきました。

(事後レポート)

女性の三主徴の話は女性アスリートを指導していくにあたって向き合わなければならない重要なポイントであり、そのための知識は今まだ足りていないと感じた。男性の管理栄養士として介入が難しいところもあるかもしれないが、積極的に学び、より理解を深めていきたいと強く感じた。また、この問題を深刻にとらえていないアスリートも多く、その点でも意識の改善が必要であると感じた。

最後に食に関する情報を理論的に伝えるのではなく、実践的な内容でかつエビデンスに基づいたものを情報として伝えていかなければならない、そして伝えるためのコミュニケーション能力も磨いていかなければならないと強く感じた。

ハイフレックス形式の講演会となりましたが、各講師の方々は、学生からの質問にも丁寧にご対応いただき、学びの意欲を高揚させる講演会となりました。