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2021年4月23日(金)

【食物栄養】 藤村太一郎教授が令和3年度文部科学省科学技術賞 (技術部門) を受賞しました。

4月6日 (火) 、文部科学省から科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に授与される 「令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」 が発表され、藤村太一郎教授が 「加工技術による食品廃棄物からの高付加価値香料の開発 (塩野香料株式会社と共同) 」 で受賞しました。表彰式は、4月14日 (水) に代表グループによる対面で行われ、同時に、その様子は、オンラインでライブ配信されました。

 地域における食品産業は、その加工をする際に、水に関わる副産・廃棄物が多量に排出され、各種の用途に再利用されているものの、未だ高付加価値な活用ではない現状があります。そこで、その解決すべき技術的課題として、高付加価値な有価物の抽出、分離および濃縮という、有効な一連の加工技術が求められています。

本開発は、持続可能な開発目標 (SDGs) に向け、多量に排出された副産物ホエイや廃棄物凝縮水 (アロマ水) について高付加価値な機能性食品素材、香料へと変換する加工技術システムを独自に確立し、その実用化まで行いました。その技術システムは、単位操作の吸着と膜を併用したハイブリッド型による加工処理法であります。本開発により、産出された高付加価値香料は、食品に共通する 「おいしさ」 成分として、後味改善効果を始め、天然感のコク味、ボリューム感を付与する実施効果がありました。さらに、その技術の実現にて持続可能な循環型システムにおける効率的な構築が可能となりました。

本成果は、地域において食品廃棄物の資源をあらたに再利用し、高付加価値な製品を創出する技術として、環境負荷削減、省エネルギーなどのSDGsの実践に貢献、寄与しています。