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2010年7月17日(土)

第2回「こども学講座」を実施

7月17日(土)、現代生活学部子育て支援センター(愛称:まつぼっくり)では、子どもに関わる教育や研究を行っておられる方々を対象とした「こども学講座」を開講しました。

第2回目にあたる今回のテーマは「子どもの言語発達の過程と獲得の基盤」。本学こども学科 小椋たみ子教授より、ことばの役割およびことばの獲得の理論をベースとした子どもの言語発達について、さまざまなデータや資料、実験映像にもとづいた丁寧な解説が行われました。

小椋教授の「子どもは胎児期より音声をきいており、生得的にもつ言語獲得能力は養育者が環境からの刺激を調整することにより育成されていきます。赤ちゃんはことばを発する前は表情や音声や身振りで気持ちを表現しています。大人がその意味を読み取ってあげて、こたえてあげましょう」とのコメントに参加者は熱心な様子でメモをとっていました。

ほかにも、コミュニケーション能力の発達について、乳児期の前半は養育者と赤ちゃんによる「二項関係」から、8~12か月からはものを渡す・みせる等の「対象」を含めた「三項関係」に変化していき、ことばの発達にはこの三項関係の成立が必須であることが強調されました。また、子どもとの絵本読みで子どもが絵やことばに興味をもち、楽しむようになるのは三項関係が成立してからと思われるとの説明がなされました。

講演の後も、講義室を埋める30名以上の参加者からは、子どものことばの発達に関する質問などが寄せられ、活発な意見交換が行われました。

子育て支援センターは、2009年4月、本学現代生活学部こども学科の新設に伴い、「地域の子育て支援」をコンセプトに設置されました。地域社会貢献や学生の実践的保育力の充実等を目指して、現代生活学部のこども学科、食物栄養学科・居住空間デザイン学科の3学科連携のもとに運営しています。

次回の「こども学講座」は、8月28日(土)開催の「世界の絵本にみる幼児期の子ども部屋の意味 ―子どもの自立の空間の役割―」(本学居住空間デザイン学科 北浦かおる教授)。多数の方々のご参加をお待ちしております。

講演を行う小椋教授

熱心にメモをとる受講者