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2010年6月15日(火)

こども学科渡辺貴裕准教授がイギリスへドラマ教育の調査に行ってきました。

こども学科の渡辺貴裕准教授が、6月5日から13日にかけてイギリスに短期調査に行ってきました。以下、渡辺准教授より。

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今回の調査は、科学研究費補助金「演劇的手法を用いた学習活動に関する総合的研究」に基づくものです。行き先は、ロンドンの小学校、児童青少年劇場などで、目的は、イギリスの特に小学校段階でのドラマ教育についてフィールドワークを行うことでした。

シェークスピアの国イギリスでは、日本と比べると、ドラマ(演劇的な活動)が学校教育の中に位置付いています。中等学校では、教科の一つとしてドラマが設けられていることが一般的です。小学校では、教科として設けられることは稀ですが、一方、教科を超えた学習(クロス・カリキュラム)を可能にする活動として、ドラマが取り組まれるなどしています。

今回、2つの小学校で、計7つのドラマの授業を見てくることができました。

例えば、古代ローマの歴史を扱うシリーズの1回目の授業では、子どもたちは、渡された資料を手がかりにして、まず、古代ケルト人の生活を作り出していきます。共同で大きな紙の上に、古代ケルト人が住む土地を描き、そこでの出来事を想像します。パートナーに、「○○したときのことを覚えてる?」と話しかけ、即興でその場面を体を使って表現します。この後の授業で、教師がローマ人となって現れ、このケルト人の村を侵攻していくことになります。子どもたちは、このようにして、ドラマの活動を通して歴史を体験しながら学んでいました。

調査の成果は、今年の秋の日本教育方法学会の大会にて報告する予定です。また、後期のこども学科開講科目「こどもと演劇」では、さまざまなドラマ教育の手法を実際に体験して学んでもらいます。学生のみなさん、楽しみにしていてくださいね。