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 基本情報


氏名 岡本 美紀
氏名(カナ) オカモト ミキ
氏名(英字) OKAMOTO MIKI
学部・学科 法学部法学科
職名 教授
出身学校・専攻 中央大学 法学部 法律学科 卒業
出身大学院・研究科 中央大学 大学院 法学研究科刑事法専攻博士後期課程 中途退学
学位・資格 法学修士
本学での担当科目 刑事政策、被害者学
研究内容 【犯罪学、刑事政策、被害者学】
犯罪という社会現象を犯罪者・被害者・刑事司法機関を中心に様々な観点から考察する学問で、その最終的な目標は犯罪のない社会をいかに構築するかということにあります。
シラバス(URL) https://csweb.tezukayama-u.ac.jp/syllabus/campus?func=function.syllabus.ex.search&nendo=2017&k_cd=866300
ひとことメッセージ どの専攻分野でも物事を幅広く弾力的に見る力を養う場所が大学です。

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研究キーワード
犯罪学、刑事政策、被害者学、刑事法

 著書

タイトル 著者 出版社 出版年月 担当区分 担当範囲 概要
『現代アメリカ犯罪学事典』(藤本哲也編) 勁草書房 19910800 共著 ①51-62頁 ②76-88頁 ③106-115頁 ④363-370頁 ⑤389-396頁 ⑥397-404頁 ⑦405-409頁 ⑧410-422頁 ①「統一犯罪報告書」②「連邦捜査局」 ③「判決前調査報告」④「被害者・加害者和解プログラム」⑤「アルコール犯罪」⑥「子供虐待」⑦「再犯研究」⑧「組織犯罪」 後記学術論文にある「アメリカ犯罪学の基礎研究」において発表したものを一旦まとめて1冊の事典にしたもの。
『暴力団対策法施行後5年の暴力団対策』 (全国暴力追放運動推進センター編) 全国暴力追放運動推進センター 19971200 共著 253-298頁 「第8章 アメリカ合衆国における組織暴力」アメリカにおける組織犯罪の起源は西部開拓時代に遡り、当初開拓地域で暴力や汚職で財産を築いた後、移民と共に都市へ流入し、マフィアと呼ばれる秘密の犯罪組織がやがて全米規模で活動することとなる。この組織犯罪に対して捜査機関は電子監視・おとり捜査・情報協力者を駆使した捜査を行う他、RICO法による訴追を展開し制圧に努めている。
『ホワイトカラー犯罪の法律学―現代社会における信用ある人々の犯罪』(O・フリードリクス著・翻訳本) シュプリンガー・フェアラーク東京 19990500 共著 419-465頁 「第10章 ホワイトカラー犯罪のポリーシングと規制」 公的に捜査され法執行活動の発動にまで至るほどの明白なホワイトカラー犯罪の発生率は、伝統的犯罪と比べた場合、目に付きにくく捜査されにくいという点で低くなりがちであるが、ホワイトカラー犯罪事件に対するポリーシングの大多数が公的・民間双方の規制機関によって実施されている他、組織内の自己ポリーシングもまた有効に働いている。
『民衆司法―アメリカ合衆国における刑事司法の歴史』(S・ウォーカー著・翻訳本) 中央大学出版部 19990900 共著 第6章139-178頁 第7章179-213頁 「第6章 革新主義と刑事司法(1900年〜1919年)」 「第7章 犯罪統制時代(1919年〜1940年)」 ①19世紀に入ってからの20年間は改革主義と呼ばれる時代で、発展して止まないアメリカの都市における産業化社会の要請に応じるべく変革の機運が高まったのであり、刑事司法の分野にも改革の波がもたらされることとなった。 ②1920年代〜1930年代の20年間は犯罪統制がアメリカの顕著な問題となり、連邦政府は、社会復帰という革新主義的傾向から犯罪と犯罪者に対する強硬策をとることとなった。
『カジノ導入をめぐる諸問題〈1〉』(谷岡一郎他編著) 大阪商業大学アミューズメント産業研究所 20030301 共著 203-229頁 「第6章 アメリカ合衆国におけるインターネット・ギャンブリングの現状とその法的変遷」 インターネットというツールの性質上、たとえ青少年ですら自室内などにおいて他人の目を気にすることなくギャンブルに参加することが出来るという現状においては、いわゆるギャンブル中毒者の増加を阻止することが困難である。そこで、連邦政府は、インターネットギャンブルの前面禁止という、ほぼ不可能な対応策はとらず、インターネットギャンブルでやり取りされる金銭の移動を一切禁止するという立法対策をとることとした。
『演習ノート刑事政策 (第10版)』(藤本哲也編) 法学書院 20101001 共著 「31.保安処分」62-63頁 「38.被害者・加害者和解プロフラム」76-77頁 「58.特修短期処遇」116-117頁 「68.精神障害者の犯罪」136-137頁 「79.銃器犯罪」158-159頁 「93.東京ルールズ」186-187頁 ①保安処分とは一般に、特定の人の犯罪行為を前提として、その者の将来の危険性を防止するために、刑罰以外の手段で刑罰を補充しまたは刑罰に代えて裁判所が言渡す自由の剥奪・制限を伴う隔離・改善の処分である。 ②これまで刑事司法で等閑視されていた犯罪被害者の権利を強化しようとする動きのひとつが被害者・加害者和解プログラムであり、これは被害者が加害者と直接話し合う過程で自分の考えを加害者に明らかにするというものである。 ③少年院の特修短期処遇とは、非行が常習化しておらず開放処遇に適する少年を対象として4月以内という短期の収容期間に開放的処遇環境下で通学や地域の職場へ通わせ少年の自覚を促すことを目的としたものである。 ④日本での精神障害犯罪者の発生比率は刑法犯検挙人員中の0.64%で、責任無能力の場合には精神保健福祉法に基づいて措置入院に付されるが、保安処分の導入を検討する声も上がっている。 ⑤日本における銃器犯罪の近年の特徴は、暴力団以外の者によって行われることが多いことや、被害が一般市民にまで及ぶことが挙げられ、そのため警察のみならず、法務・外務・財務など各方面にわたる各省庁の連携や、海外諸国との国際協力が重要視される。 ⑥東京ルールズとは、1990年にキューバで開催された第8回犯罪防止及び犯罪者処遇に関する国際連合会議で採択された「被拘禁措置に関する国連最低基準規則」を指す。これは、犯罪者の社会内処遇の促進を目指すもので、世界の刑罰で主流である自由刑に対する人権上の配慮に基づくものである。
『リーディングス刑事政策』 朴 元奎・太田達也編 法律文化社 20160400 共著 13「起訴猶予制度」153-166頁 わが国固有と言われている起訴猶予制度の特徴・現状及びその刑事政策的機能を研究した三井誠の論文を紹介したもの。

 論文

タイトル 著者 単著・共著の別 発行雑誌 発行所 開始ページ 終了ページ 出版年月 掲載種別 概要
日本における暴走族についての刑事政策的研究 単著 『中央大学大学院研究年報 法学研究科篇(下)』 17号Ⅰ-2 181 192 19870300 我が国におけるいわゆる「暴走族」の出現とその変遷を新聞や雑誌記事などから追跡し、当初は若者の風俗のひとつに過ぎなかった彼らがやがて悪質な犯罪集団となってゆく様子を示し、しかし成人になるにつれて離脱してゆくという一過性の犯罪・非行でもあるという側面も兼ね備えているという点に注目して、その刑事政策的対策を模索するべきであるとするもの。
アメリカ犯罪学の基礎研究(20)被害者・加害者和解プログラム 単著 『比較法雑誌』 22巻 2号 85 93 19880900 昨今、これまで等閑視されがちだった犯罪被害者の立場を尊重しようという動きが盛んになり、犯罪で被った損害の金銭的賠償のみならず、恐れや不安感などの精神的損害を快勝するために北米で考案されたものが被害者・加害者和解プログラムであり、これは、被害者と加害者が直接対面してお互いの意見を交換し、賠償金を決定するだけではなく被害者の感情を加害者に伝えるという働きをも有するものである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(21)再犯研究 単著 『比較法雑誌』 22巻 3号 64 71 19881200 アメリカでは、刑罰として施設拘禁が用いられて以来、収容者の処遇方法や量刑政策などについて論争が繰り返されており、現在の矯正政策の主流は応報政策(行った犯罪やその犯罪の重大性を基に処罰する)と、選別的隔離政策(極めて多くの犯罪を繰り返し行っている者を長期収容する)であるが、その効果を評価する上で重要なのが再犯研究である。
アメリカ犯罪学の基礎研究(22)判決前調査報告 単著 『比較法雑誌』 22巻 4号 83 95 19890300 アメリカ刑事司法における判決前調査報告とは、適切な量刑判断を行わなければならない裁判官に対して、それがなければ量刑に正当性を欠くような情報源を提供する重要な文書であり、当該犯罪者の初犯年齢・これまでの犯罪歴・職業歴などの犯罪者個々の生活歴のリスク要素がここには含まれている。これは、犯罪者処遇の個別化と実証主義的予防理念を反映したものである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(23)統一犯罪報告書―アメリカ合衆国における犯罪 単著 『比較法雑誌』 23巻 1号 83 96 19890600 『統一犯罪報告書』は、アメリカ合衆国内で発生した犯罪に関する全米規模の統計書で、全米1万5千の都市・カウンティや法執行が自ら認知した犯罪データを提出し、それを連邦捜査局が検討した上で、犯罪の特質・形態などを評価して毎年定期的に発表しているものである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(24)連邦捜査局 単著 『比較法雑誌』 23巻 2号 87 102 19890900 合衆国憲法の裁可当時、アメリカでは、警察機能は地方に置かれるべきものと考えられていたが、20世紀初期以降の科学技術的・経済的・人口的変化や自動車数の増加による法的境界線の交錯に対応するべく、地域を超越した捜査機関が必要となり、まず州警察が、その後、全米規模の捜査機関として連邦捜査局(FBI)が設置されることとなった。
アメリカ犯罪学の基礎研究(25)アルコール中毒者の治療と社会復帰 単著 『比較法雑誌』 23巻 3号 17 26 19891200 問題あるアルコール飲用者の多くが重大犯罪を行っているという点に鑑み、アメリカにおいては、彼らに対する介入策の中に、ある程度の強制力を伴う治療プログラムが含まれており、それは例えば、酩酊運転で逮捕された者への裁判所と連携した教育、アルコールの解毒治療、行動変容療法、薬物療法、精神的治療法などがあるが、それらはすべて自分自身の自発的回復力を背景としたものである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(26)組織犯罪の歴史 単著 『比較法雑誌』 23巻 4号 41 56 19900300 アメリカの組織犯罪の社会的・経済的起源はアメリカ初期の西部開拓時代にあり、イタリアやアイルランドなどをはじめとする移民グループが開拓地域における暴力・強要・贈賄・汚職などで富を築き、やがて全米に秘密組織として拡大してゆき、組織同志の抗争や政界との癒着などが多発した末に、1951年、連邦議会上院特別調査委員会が初めて、全米規模の犯罪シンジケートとしてマフィアの存在を公に認めるに至った。
アメリカ犯罪学の基礎研究(27)家庭内暴力―子供虐待 単著 『比較法雑誌』 24巻 1号 118 126 19900600 子供はその成育や社会科について他者に依存しており、その主な責任は家族にあって、彼らには子供の健全な成長と発達のために適切な環境を付与することが期待されているのであるが、作為的あるいは不作為的にその付与を怠ることが子供虐待・遺棄に当たる。そして、その中には、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、適切な保護の不供与などがある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(28)家庭内暴力―老人虐待 単著 『比較法雑誌』 24巻 2号 66 73 19900900 長期間にわたって年老いた親の面倒を見るという状況は、寿命の拡大、核家族化、仕事の多様化に伴う一箇所での定住の困難さなどと結び付いて、現代社会に特殊な問題を発生させる要因となっている。また、成人した子供は、引退年齢に近付けば自由で余裕のある生活を望み、職業を持った女性の増加は、親の世話のための時間の減少を生む。そのため、年老いて不自由になった親族の面倒を見る上で虐待事例が発生しやすい状況にあるとアメリカでは考えられている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(29)州警察 単著 『比較法雑誌』 24巻 3号 25 32 19901200 アメリカ国内で州警察という場合、主として州警察、州ハイウェイパトロール及び州騎乗警察を指し、その機能や組織は大きく異なっている。このように州警察が多種多様であるのは、警察権力が政治的に誤用される可能性に不信感を抱いていたイギリスからアメリカが受け継いだ国家警察力に対する拒絶に由来している他に、アメリカの広大な地勢が様々な地域の必要性に対して多様な警察の対応を必要としているためである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(30)死刑 単著 『比較法雑誌』 24巻 4号 101 114 19910300 一般に、死刑の性格を形成し、また、死刑の将来を決定するのが、その国家の法律と政策である。アメリカ建国当時、当初の13州での死刑法は、その対象犯罪や量刑状況が大いに異なり、その後も、この任意的死刑量刑はアメリカでの死刑の特徴のひとつとなり、1970年以降の連邦最高裁でも、任意的死刑量刑が「残虐で異常な刑罰」で憲法違反に当たるのかという訴訟が多発しており、1970年のいわゆる「ファーマン判決」は、量刑裁量につき何らの基準も持たない審理裁判所が下した死刑は違憲であると判示し、独断的で民族的バイアスのかかった死刑量刑を指摘した。
アメリカ犯罪学の基礎研究(31)陪審 単著 『比較法雑誌』 25巻 1号 61 74 19910600 アメリカ合衆国憲法修正第6条は、重大犯罪で告訴されたすべての人々に対して公平な陪審による裁判を保障している。陪審裁判を受ける権利は、イギリスでは過去千年の間の、そしてアメリカではそれより近年の闘争を通じて確立されたもので、現在ではアングロアメリカの法制の中で最も民主的なもののひとつと考えられている。他の諸国では、訓練を受けた法律専門家が登用されているが、アングロアメリカでは一般市民が陪審員として選定されているのである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(32)インターポール 単著 『比較法雑誌』 25巻 2号 89 96 19910900 インターポールは、国際犯罪や国際犯罪者に対する捜査や予防上の相互援助のために設立された国家的警察力の世界的な連合体であり、加盟国の警察機関間の協力の促進や国境間にまたがって行われる犯罪者・犯罪集団による犯罪活動への対抗策を展開する上での援助をその目的とする。主として、テロリズム、麻薬取引、暗殺、密輸、窃盗、偽造、人身売買、美術品や貴重品の窃盗などを対象とするが、インターポール自体は犯罪捜査や逮捕のために特派員を送り込むことはない。
アメリカ犯罪学の基礎研究(33)人種と犯罪 単著 『比較法雑誌』 25巻 3号 73 82 19911200 1969年、暴力の原因と予防に関する合衆国全米協議会は、都市における暴力犯罪は黒人が多く住んでいるゲットーやスラムで多発しており、特に15〜24歳の若者に集中していると結論付けているが、人種と居住地域の社会経済的地位及び若者の犯罪発生率との関係は容易に結論の出ない問題である。
アメリカ犯罪学の基礎研究(34)失業と犯罪 単著 『比較法雑誌』 25巻 4号 43 53 19920300 従来、アメリカでは、高い逮捕率を示している人種グループやその人種の居住地域では失業率が高いことから、犯罪は失業によって惹起されると考えられてきたが、今や、犯罪の着手が失業を引き起こすのであって、職業訓練や失業補填プログラムなどとの円滑な連携が犯罪を減少しうるものとされている。
アメリカ合衆国における警察の役割―その歴史的変遷と現状の刑事政策的検討 単著 『中央大学大学院研究年報 法学研究科篇』 21号 145 157 19920300 社会秩序維持の一手段である警察制度は国々によって様々に異なるが、特にアメリカの警察制度は、広大なアメリカの領土がもたらす地勢的・人口的・産業的差異のために、自治体警察、州警察及び連邦捜査局がそれぞれ独自の発展を地域・時代ごとに遂げてきた。
アメリカ犯罪学の基礎研究(35)世論と犯罪 単著 『比較法雑誌』 26巻 1号 49 56 19920600 犯罪や刑事司法に関する世論調査は、立法者や政策作成者及び裁判にとって重要な役割を果たすものであり、1970年代以降、刑罰の厳格性、犯罪の非犯罪化、少年の処遇、精神異常の抗弁、被害者の権利などについて数々の調査が実施されてきており、アメリカではギャラップ世論調査やハリス調査、全米科学基金の一般社会調査などが有名である。
アメリカ犯罪学の基礎研究(36)猥褻とポルノグラフィー 単著 『比較法雑誌』 26巻 2号 105 115 19920900 猥褻とは、本来、不快・不道徳で嫌悪の情を催す物を意味し、性との必然的関係はないが、ポルノグラフィーは性的行動の描写を意味する。ところが、法的にはポルノグラフィー=猥褻とされ、ポルノグラフィーの規制が中心に考えられており、言論の自由との関係で問題にされることが多い。
アメリカ犯罪学の基礎研究(37)カジノ賭博 単著 『比較法雑誌』 26巻 3号 1 10 19921200 アメリカにおけるカジノ合法化の背景には、歳入の増加という問題が存在しており、確かにラスベガスやアトランティック・シティでは、カジノ賭博で大いに歳入を増やしているのであるが、周辺での街路犯罪の増加や組織犯罪の関与などが問題とされ、それらに対する法的規制が整備されている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(38)アメリカにおけるジェイルの状況 単著 『比較法雑誌』 26巻 4号 45 55 19930300 アメリカのジェイルは、有罪犯罪者を比較的短期で収容するための施設であるが、今や施設が老朽化し、慢性的な過剰収容状態にあり、また保安状況も不充分である。そのため、全米的なジェイル管理基準が設けられてはいるが、収容者からのジェイル当局に対する訴訟も多く提起されているほか、ジェイル職員も自分たちの労働スペースや設備上の不備を多く指摘している。
アメリカ犯罪学の基礎研究(39)自殺 単著 『比較法雑誌』 27巻 1号 99 109 19930600 アメリカにおける自殺者数は、検死官や監察医によって自殺であると判別され全米保健統計センターに報告された者を集計したものであり、WHOの疾病分類統計システムが定めたナンバーでコード化されているため、実際の自殺者数は過少評価されていると言われている。そして、実際に自殺の発生を未然に予防するため、合衆国連邦政府は、コミュニティ精神保健プログラムのひとつとして自殺予防センターを設立したり自殺の危険性のある人々に対して治療グループを設けたりしている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(40)刑務所におけるエイズ 単著 『比較法雑誌』 27巻 2号 105 117 19930900 エイズの危機がアメリカ国内を襲って以来、刑務所施設はエイズの要注意地域のひとつと考えられていたが、その後のエイズ知識の発展により、多くの矯正システムが、緊急の場合以外の受刑者に対するエイズ検査や強制的隔離は行わないというエイズ対策モデルを採用しているが、数州では未だ新入受刑者すべてを検査し、HIV陽性受刑者を何らかの形で隔離している。そのため、HIV陽性受刑者の選別・隔離・移送に関する訴訟が提起されている一方で、一般受刑者が陽性受刑者の隔離を申し立てている訴訟も行われている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(41)ティーン・コート 単著 『比較法雑誌』 27巻 3号 1 12 19931200 アメリカのティーン・コートとは、犯罪や非行を行った少年たちがそれぞれ判事・検事・弁護士の立場に立って、被告である少年の審理を行うというもので、本物の判事が彼らに助言を与えながら進行される。このような審理に参加することによって、少年たちが自分の犯罪や非行で周囲にどのような影響を及ぼしたのかということを理解し、矯正に積極的に参加しようとする意欲を得るということが期待されている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(42)ショック拘禁―ブート・キャンプ 単著 『比較法雑誌』 27巻 4号 173 184 19940300 アメリカのショック拘禁は一般にブート・キャンプと呼ばれており、これは、高度に組織化された行進・労働・講習などの軍隊的制度を特徴とする3〜6ヶ月の集中的拘禁であって、改善を通して再犯を減らし応報を加え、犯罪を予防することによって刑務所費用や過剰拘禁を減ずることができる万能薬とされ、マスコミでも注目されることが多い。だが、この拘禁形態の効果については議論が多い。
アメリカ犯罪学の基礎研究(43)刑務所内での喫煙 単著 『比較法雑誌』 28巻 1号 21 34 19940600 1993年のマッキンニー事件において、アメリカ合衆国連邦最高裁判所は、受刑者は他の受刑者の喫煙による副流煙を被ることによって生じる将来的な健康問題という高度な危険から解放される憲法上の権利を有するということを判示した。この事件以前には、副流煙を被ることは刑務所生活に付き物の単なる不便さ・不快さにすぎないと判示する裁判所もあり、司法よりもむしろ政府の立法部や行政部が喫煙対策を履行するべきだという刑務所管理者や裁判官たちの考え方に司法部が無関心であったということが反映されている。
オーガスタスから進歩主義者へ―プロベーション創生期に関する研究 単著 『比較法雑誌』 28巻 2号 87 107 19940900 アメリカのおけるプロベーションとは、一般に、有罪認定を受けた被告人、特に軽罪を犯した青少年や初犯者を、裁判所が刑の宣告または執行の猶予をなしつつ、定期的な出頭報告その他の適切な条件を科する権限を有するプロベーションオフィサーの指導監護に一定期間付して釈放し、社会内での改善更生を図る制度、またはそのような裁判所の処分を指すものであり、このプロベーション期間の無事満期は有罪判決を失効させるが、条件違反があれば刑の宣告または失効が行われ得るとされている。この制度は、ジョン・オーガスタスのボランティア活動に直接の起源を有するものであり、その背景には啓蒙運動や進歩主義的(改革主義的)運動が与えた価値観の影響がある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(44)グループ・ホーム処遇プログラム 単著 『比較法雑誌』 28巻 2号 123 134 19940900 近年、アメリカでは、犯罪者の社会復帰や改善、特に若年犯罪者に対する福祉への関心が高まり、少年司法システムでは、若年犯罪者処遇上、様々な選択肢が用いられており、そのひとつがグループ・ホーム処遇プログラムである。これは、家庭的施設での居住処遇を基礎として、社会奉仕活動や教育的・職業的訓練に参加することによって社会復帰を目指すものであるが、応報的観点からすれば批判の多い処遇形態でもある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(45)デイ・リポーティング・センター 単著 『比較法雑誌』 28巻 3号 139 149 19941200 刑務所人口の増加や逼迫した政府予算などのため、刑務所などの施設収容とプロベーションやパロールなどの社会内処遇との踏み台として、在宅拘禁や電子監視などの中間処遇が注目されており、そのひとつがデイ・リポーティング・センターである。ここに委託された犯罪者は、自宅に住み、定期的に当センターに出頭して日常生活の日程表を提出し、それに基づいて監視職員がその行動を監視・統制する。そして、この処遇形態の成功は、対象犯罪者の罪種とその費用効率性に左右されるという結果が出されている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(46)アメリカ合衆国における妊娠中絶 単著 『比較法雑誌』 28巻 4号 79 97 19950300 アメリカでの人工妊娠中絶は、時の政府の政治方針に左右されており、中絶推進政策を採る民主党政権下では、中絶手術を実施している産科病院が襲撃されたり、宗教家からの批判も多くなされた。このような状況下で、合衆国連邦最高裁は、中絶を望むことは当該女性の自己決定権であると判示するに至ったのであるが、それまでの下級審の判決では、当該女性の自己決定よりもむしろその両親や親族の同意が重視されており、この背景にはキリスト教的家族観が根強く存在していると考えられる。
アメリカ犯罪学の基礎研究(47)社会内薬物処遇 単著 『比較法雑誌』 29巻 1号 137 147 19950600 アメリカでは、薬物と犯罪との間には何らかの関係があり、それゆえ矯正施設内での薬物濫用処遇は重要であるという理念が存在している。そして、そのような処遇の効果を継続的なものとするためには、施設内での薬物治療プログラムはもちろんのこと、社会内処遇に移行した後でもこのような治療プログラムを科するべきであるとされている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(48)1994年暴力犯罪統制及び法執行法 単著 『比較法雑誌』 29巻 2号 79 90 19950900 1994年9月13日、クリントン大統領は、合衆国連邦議会において、長年の懸案であった「暴力犯罪統制及び法執行法」に署名し、本法は同年10月1日から施行された。この法律の概要は、10万人に及ぶ新規警察官の採用、刑務所増設のための97億ドルの予算認可、犯罪予防プログラム運営のための61億ドルの予算認可、外国人犯罪者規制のための政府の権限の大幅な拡大、司法省の各機関のための26億ドルの追加予算の認可などである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(49)少年に対する社会奉仕プログラム 単著 『比較法雑誌』 29巻 3号 57 66 19951200 アメリカでの社会奉仕命令は、その量刑上の選択肢や条件として、一定期間一定時間数の作業や奉仕を行うために、非営利的機関で無報酬の地位に置かれるものであり、通常、プロベーションの一条件として科されており、少年司法システムでは長年制裁として用いられている。その基本理念は、当該作業の価値の認識、参加者は貴重な社会資源であるという考え、奉仕で身に付いた技能が社会で生かされること、奉仕の達成感の感得、弱者救済の作業に焦点を合わせること、などである。
アメリカ合衆国における『1994年暴力犯罪統制及び法執行法』について―いわゆる『三振アウト』条項を中心として 単著 『比較法雑誌』 29巻 4号 29 55 19960300 1994年9月13日、クリントン大統領は合衆国連邦議会において、アメリカ史上最大の犯罪対策法案である「1994年暴力犯罪統制及び法執行法」に署名し、同年10月1日、この法律は施行された。本法は、それまで6年間にわたる連邦議会での激しい議論の末に成立した超党派的な産物であり、賛成と反対が極めて拮抗するという状況で生み出されたものである。この法の眼目は、いわゆる「三振アウト」条項で、重罪犯罪で三度かそれ以上有罪となった者は強制的終身拘禁刑が科されるというものであるが、これについては、重罪の定義が州によって異なることや、有罪の答弁を行わないで審理を求める被告人が増加し、裁判所の過剰負担を招くなどという批判が多い。
アメリカ犯罪学の基礎研究(50)オハイオ州北部における包括的制裁センター 単著 『比較法雑誌』 30巻 1号 69 85 19960600 アメリカ国内の犯罪者に対する厳罰主義とそれに伴う刑務所の過剰拘禁状態から、中間的制裁が出現した。これは、刑務所収容と、社会内処遇であるプロベーションとの中間的処遇であり、オハイオ州クリーブランドで運営された包括的制裁センターは、この中間処遇の一形態である。その内容は、薬物やアルコール治療プログラム、社会奉仕、職業訓練、自己尊重、金銭管理プログラムなどで、積極的な生活態度を身に付けさせようというものである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(51)調停 単著 『比較法雑誌』 30巻 2号 51 69 19960900 調停とは、紛争解決策を強制的に指示する権限を何ら有しない中立的第三者が、当該紛争当事者が紛争解決のための合意に到達する手助けをするという任意的プロセスのひとつであり、アメリカの刑事司法の領域では、被害者・加害者和解プログラムとコミュニティ紛争解決プログラムが活用されている。このような調停プログラム出現の背景には、刑務所の過剰拘禁と被害者の地位の再考という動きがある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(52)社会内処遇法 単著 『比較法雑誌』 30巻 3号 143 162 19961200 アメリカでは、犯罪や犯罪者に対する強硬的政策を打ち出して以来、拘禁施設、特に州刑務所やカウンティジェイルの慢性的な過剰収容が問題とされており、そのためコミュニティの安全性を確保しつつ犯罪者を拘禁施設からダイバートするために、各種の社会内処遇などが実施されることになった。そして、これらの社会内処遇を円滑に運用するため、州が、ローカルに権限や財源を付与する根拠として設けられたものが社会内処遇法である。
アメリカ犯罪学の基礎研究(53)職場での暴力 単著 『比較法雑誌』 30巻 4号 67 85 19970300 1991年11月、アメリカ・ミシガン州の郵便局において、ここを解雇された郵便配達員がライフルで4人を射殺するという事件が発生したが、このような職場での暴力事件は後を絶たない。従業員同士の競争によるプレッシャーや会社の合併・乗っ取り・解雇の不安などから発生する身体的・精神的ストレスやトラウマが憎悪感情・暴力・奇行などの突発の原因となっているほか、自主性の喪失、人種・言語・文化・性別などの多様な勤労者人口から発生する緊張状態、家庭内の諸問題の余波が従業員にのしかかっている。このような状況に対しては、、管理者と従業員間への調停的介入が迅速に行われるべきであるとされている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(54)ブートキャンプ終了者に対するアフターケア施策 単著 『比較法雑誌』 31巻 1号 117 146 19970600 アメリカの矯正施設は過剰拘禁状態にあり、その即効的解決策としてブート・キャンプが多用されている。これは、軍隊的組織・行進・紀律・拘禁期間の短縮などを強調する矯正プログラムであり、犯罪者を甘やかすことなく、なおかつ早期釈放することによって施設の費用を短期的に節約することを意図したものであるが、再犯率の減少という点ではあまり成功していないと言われる一方、終了者に対してアフターケア的プログラムを実施する場合は効果的であるという見解もある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(55)カリフォルニア州オレンジ・カウンティーにおける被害者・加害者和解プログラム 単著 『比較法雑誌』 31巻 2号 225 240 19970900 これまでの少年司法上のアプローチは個々の犯罪者と犯罪行為及びその刑罰のみに焦点を合わしており、犯罪被害者が司法過程に参加する機会を与えていない。このような状況において、犯罪行為は個人間の紛争であり、被害者・加害者・そのコミュニティが話し合って紛争を解決しようとする回復的司法という考え方が現れてきた。この回復的司法という理念が明白に運用されているのが被害者・加害者和解プログラムであり、アメリカにおける、その最大規模のものがカリフォルニア州オレンジカウンティのプログラムである。
アメリカ犯罪学の基礎研究(56)アメリカ合衆国の少年裁判所における制裁的機能の再考 単著 『比較法雑誌』 31巻 3号 313 339 19971200 アメリカの少年裁判所は、ティーンエイジャーによる暴力犯罪の増加と家族の崩壊によって大いに圧迫されており、その解決策として、少年を成人として刑事裁判に付するという厳罰化傾向を見せ始めているが、少年司法の危機であるという批判も多い。そこで出現してきたのが回復的司法である。これは、犯罪少年と被害者及びそのコミュニティが、その関係や感情を回復するための話し合いを通じて、犯罪少年が自らに科せられた制裁を責任を感じながら受けるという効果をもたらすものであり、少年司法の制裁的側面を効果的に運用しようとするものとして注目されている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(57)アメリカ合衆国の州レベルにおける『スリーストライク法』に関する検討 単著 『比較法雑誌』 31巻 4号 145 176 19980300 アメリカは、1994年に連邦法として「暴力犯罪統制及び法執行法」を施行し、その眼目として、3回以上重罪犯罪で有罪判決を受けた者に強制的終身刑を科することとしているが、この「スリーストライク法」は、州レベルではそれより以前に施行されている。各州によって、重罪の定義や「ストライク」数は異なっているが、その意図は、連邦法と同様に、重罪犯罪者の隔離とそれに伴う社会安全の保障にあると思われ、その効果については研究途上である。
アメリカ犯罪学の基礎研究(58)オーストラリアにおける家族集団協議会のアメリカ合衆国への導入 単著 『比較法雑誌』 32巻 1号 131 147 19980600 家族集団協議会とは、オーストラリアやニュージーランドにおける少年非行対応策のひとつであり、自らの罪を認めている少年犯罪者を、その家族・友人・被害者・被害者の家族や友人などが出席する協議会へ出席させ、当該犯罪が参加者全員に与えた影響について討議し、当該少年が引き起こした加害を賠償するための計画を考察することに焦点を合わせたもので、一般に、地元警察や学校当局によってコーディネイトされる。この制度をアメリカに導入する上では、制服の警察官の参加が懸念されているが、今後の回復的司法に生気を吹き込むものと考えられている。
アメリカ犯罪学の基礎研究(59)防犯空間設計の近隣地区犯罪に及ぼす効果 単著 『比較法雑誌』 32巻 2号 121 146 19980900 1970年代以降、アメリカでは、犯罪や無秩序などの問題に取り組む上でローカルの近隣地区がどのような役割を担いうるのかという点に関心が集まっている。このようなコミュニティポリーシングの一手段として、犯罪が発生しにくい防犯空間を設計しようという動きが盛んに提唱されており、それについては、犯罪者を接近させず犯罪の機会を物理的に減らそうとする機会モデルと、コミュニティの監視の目を強化することによって犯罪の発生を抑えようとするコミュニティモデルがある。
アメリカ犯罪学の基礎研究(61)アメリカ合衆国における犯罪被害者支援運動の流れ 単著 『比較法雑誌』 32巻 4号 131 162
19990300 アメリカの犯罪被害者支援運動出現の背景には、州の被害者補償プログラムの導入、被害者学の発展、暴力の被害者としての女性運動、犯罪の増加とそれに伴う刑事司法システムに対する国民の不満の増大、被害者の積極的行動主義の成長などが考えられる。また、その結果として、政府による様々な公共政策、支援プログラム、国民の啓蒙などが展開されているが、特に、1975年に被害者支援のための全米組織(NOVA)の設立の影響が大きい。
イギリスにおける犯罪被害者の刑事司法システム上の支援―情報提供と刑事司法手続への参加をめぐる権利を中心として 単著 『被害者学研究』 9号 83 95 19990300 1070年代終わりのイギリスにおいては、刑事司法機関はいずれも犯罪被害者の要望や感情に比較的無関心であったが、1980年代に入って、被害者の置かれている苦境が数々の被害者調査やメディアによる報告などから周知のものとなるにつれて、公的報告書の刊行や調査委員会の設立が盛んになり、被害者の権利が尊重されることとなっていったが、その背景には全英被害者援護協会(VS)の急速な拡大があった。
アメリカ犯罪学の基礎研究(62)北アメリカにおける被害者・犯罪者間調停プログラムに関する被害者の評価 単著 『比較法雑誌』 33巻 1号 183 200 19990600 北アメリカで実施されている被害者・犯罪者間調停プログラムは、回復的司法の理念の下で運用されており、犯罪者に自らの犯罪行動について直接的に説明させる一方で、被害者に対して重要な支援や被害弁償を提供することを目的とする。そして、その参加被害者は、この調停プロセスとその結果について、加害者が少年であれ成人であれ、満足感にほとんど相違がないという調査結果が示されている。
犯罪被害者の権利―外国の動向:アメリカ 単著 『法律時報』 71巻 10号 74 75 19990900 かつて、アメリカの刑事司法システムにおいて、犯罪被害者はせいぜい証人の地位しか与えられていなかったが、1970年代以降の強姦被害者支援を求めるフェミニスト運動や犯罪に対する強硬策を求める「法と秩序」グループの主張などの結果として、被害者補償プログラムや被害者支援プログラムが全米的に展開されることとなり、その後、被害者の刑事司法システムへの参加や明確な権利保護に注目が移っている。
アメリカ合衆国におけるインターネット・ギャンブリングに対する法的規制の現状と問題点―ギャンブリングの影響に関する全米調査委員会1999年報告書を中心として 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 2号 67 89 20000300 アメリカにおいては、インターネット利用者数の増加とオンラインによる財産取引への消費者の信頼感の増大に伴い、インターネット上で様々なゲームを行い掛け金を得失するインターネットギャンブリングの参加者が激増しているが、家庭という閉じ込められた空間における、青少年によるギャンブルへの参加や歯止めの利かないギャンブル中毒者の発生の恐れなどが、連邦政府による調査報告者でも指摘されている。
アメリカ合衆国におけるギャンブリングに関する法的規制の変遷について―1950年以降の概観 単著 「大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要」 3号 117 129 20010300 1950年以降のアメリカにおいては、ギャンブリング行為は、いくつかの例外を除き、連邦及び州レベルで一般に禁止されていたが、近年、州レベルでは、自州の財源としてギャンブリングを合法化しようとする傾向にある一方で、連邦政府は、組織犯罪の収入源であるギャンブリングを規制しようとしており、ギャンブリング規制の二極化現象が発生している。
アメリカ合衆国における『問題あるギャンブリング及び精神病理学的ギャンブリング』の現状と対策 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 4号 133 155 20020300 問題あるギャンブリングや精神病理学的ギャンブリングとは、いわゆるギャンブル依存症を指すものであり、アメリカでは、成人人口の750万人、青少年人口の790万人がそのような状態にあると言われている。その対策としては、各種の自助グループ(ギャンブラーズ・アノニマスなど)による治療支援活動や、政府やギャンブル産業からの助成金による治療プロフラムの開発・運用などがある。
アメリカ合衆国インディアナ州におけるリバーボート・ギャンブリングと犯罪との関係 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 5号 169 193 20030300 アメリカの多くの州が、その大きな財源として次々とカジノを認可しており、中でも、市民が手軽に参加することが出来るリバーボートカジノに人気が集まっている。しかし、他の娯楽産業と同様、この種のカジノも犯罪問題を伴っており、観光客としてのカジノ客は、自分の周囲の警戒を怠りがちで、危険な時間に危険な場所へ出掛けるなど、危うい行動を取りがちであるということが指摘されている。
イギリスにおける『問題あるギャンブリング』(いわゆるギャンブリング中毒)とその治療 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 6号 167 185 20040300 アメリカと同様、イギリスでも、ギャンブリングには抑制が効かなくなる可能性があるという認識が近年高まっており、ようやくギャンブル中毒の実態調査が行われ始めた。それによれば、イギリスでは、問題あるギャンブリングを経験した者が27万5千人いると考えられており、その対策として、様々な自助グループ(GA、GamAnonなど)が各種の治療・支援プログラムを運用している。
被逮捕者間におけるギャンブリングと犯罪―その関連性の検討 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 7号 161 169 20050300 警察に逮捕された犯罪者のうち、どれだけの者がギャンブリングにのめり込んでいるのかという、アメリカにおける調査によれば、その程度の差こそあれ、大半の者がギャンブリングを経験しており、年齢が低いほど、あるいは、両親がギャンブルに親しんでいる家庭で成育した者ほど、いわゆるギャンブル中毒に陥っている割合が高いということが示されている。
街頭防犯カメラシステムの導入をめぐる諸問題―我が国と英米における現状の比較検討 単著 『法学新報』 112巻 1・2号 597 634 20050700 犯罪の急増と、税収の減少による警察機関の規模縮小により、国民の犯罪に対する不安感が大きな問題となっており、その対策のひとつとして多用されているのが、CCTVを用いた街頭防犯カメラである。英米、特にイギリスは監視カメラの先進国と言われ、最も多くの街頭カメラを設置している国であり、その効果研究も多数行われているのであるが、カメラがカバー出来ない地域に路上犯罪が転移したり、一般市民のプライバシーを侵害するという批判も出されている。近時、テロ対策として日本でも急速に多用されるようになった街頭カメラであるが、その運用に関しては、明確な運用基準を策定することが何よりも重要なポイントであろう
高齢者虐待の現状と被害者対策―日米の比較を中心として― 単著 『被害者学研究』  16号 31 41 20060300 我が国では、これまで、高齢者虐待について国を挙げての全国レベルの調査研究がなされておらず、その実態もつい最近まで不明であった。ところが、児童虐待、配偶者虐待という、高齢者虐待と同様に家庭内で発生するため被害者が救われることが困難な犯罪に対して、立法をはじめとする各種の対応がなされるにつれ、ようやく実態調査が開始され、「高齢者虐待法」が施行されることとなったのであるが、未だ迅速な対応は不十分であり、今後も、被害者支援のみならず、介護している家族や施設職員に対する啓発活動やカウンセリング等、きめの細かい対応が望まれている。
世界各国におけるインターネット・ゲーミングに対する法的規制の現状 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 8号 155 168 20060300 近年、インターネットが世界のあらゆる場所で一般的な情報ツールになっている状況において、インターネットを通じてギャンブルやカジノゲームを行うという形態のインターネット・ゲーミングの利用が急速に拡大しており、政府公認のギャンブリング以外を法律で禁止している国においても、インターネットの性質上、老若男女誰もがそのようなサイトにアクセス可能である。そこで、各国は様々な手法で、このインターネット・ゲーミングを規制しようとする、あるいは合法化しようとする動きを見せており、日本について言えば、未だ具体的な対策を実施するほどに何らかの問題が顕在化しているという訳でもないが、インターネット・カジノを客に提供しているカジノバーや喫茶店などが摘発されるという事例は徐々に増えている。
アメリカ合衆国におけるインディアン・ゲーミング発展の歴史―その法的規制を中心として 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要』 9号 107 126 20070300 アメリカ合衆国が西部に拡大してゆくにつれ、先住民族であるインディアン(ネイティブアメリカン)は領土を追われ迫害されてきたという歴史があり、その後、彼らは専用の居留地(保護区)で暮らすことを余儀なくされてきたが、彼らの暮らしは非常に貧しい状態に置かれている。そこで、近年、アメリカ政府は、その居留地内でカジノなどを運営し、その全収益を収受することを彼らに認めており、その収入は急増しているように思われている。だが、居留地によっては、経営難に陥っているカジノも少なくなく、また、居留地が存在する州のカジノ規制法と居留地内のカジノの運営法が対立し、裁判になっている例も多い。
スウェーデンにおける最初の国有インターネットポーカーサイトとその法的規制 単著 『大阪商業大学アミューズメント産業研究所要』 10号 225 239 20080300 インターネットは、今や、国境を越えた情報ツールであり、それを利用したインターネット・ギャンブルを規制することは事実上困難である。そこで、北欧のスウェーデンは、あえて禁止するのではなく、国有のインターネットポーカーサイトを立ち上げ、自国民がこのサイトを利用することのみ合法であると認め、他国のサイトへの参加を禁止し、また、他国のサイト運営業者の参加を禁じることによって、自国の収入にしてしまおうという方針を立てた。しかし、他のEU加盟国は、EU加盟国同士の通商の自由はEU法で認められており、他者排外的なスウェーデンのこのような対応はEU法違反であると、不快感を表している。

 講演・口頭発表等

タイトル 講演者 単著・共著の別 会議名 開催年月日 主催者 開催地 概要
Juvenile Victimization by Harmful Environment in Japan 国際犯罪学会第12回大会 19980824 韓国ソウル市 Paper prepared for The 12th International Congress on Criminology, August 24-29, 1998,Seoul, Korea. 近年、日本における少年非行や犯罪は、その数的増加のみなず、凶悪化傾向に特徴があると言われている。しかし、女子高生による援助交際や、風俗店での男女少年に対する搾取などは、顕在化しにくいが根深い少年問題である。そして、その背景には、青少年を取り巻く有害環境(風俗産業、ポルノ産業、暴力団など)の影響が大きいと言われており、非行・犯罪少年らを処罰するのみならず、それら有害環境を一掃する政策もまた重要である。(学会報告) 国際犯罪学会第12回大会(韓国ソウル市)における学会発表(英語)
社会の高齢化に伴う犯罪と犯罪被害者の変化―高齢者虐待を中心として 日本社会学会第79回大会
「一般研究報告Ⅲ(テーマセッション)犯罪・非行の量的・質的動向」内での発表
20061000 立命館大学衣笠キャンパス 近時、日本は急激な高齢化状態にあり、それに伴って、犯罪の加害者になる高齢者も増加しており、刑事施設内での高齢者人口も増加し、ほぼ介護施設化している刑務所も少なくない。だが、反面、犯罪の被害者になる高齢者も増加しており、とりわけ悪質商法やオレオレ詐欺などの被害者のほとんどが高齢者である。また、児童虐待、配偶者虐待と同様に、家庭内で発生するがゆえにその被害状況が外部に把握されることが少なく、結果として被害者が死傷に至る犯罪のひとつとして、高齢者虐待が注目されている。だが、高齢化社会と言われて久しいにもかかわらず、つい最近まで、高齢者虐待の被害実態やその対策はほとんど顧みられていなかった。近年、ようやく、被害実態調査が実施され、高齢者虐待対策法が施行されたが、誰もが今後通らなければならない途であるにもかかわらず、「高齢化」に向けられた福祉対策は貧しく、また、後手に回りがちである。(学会報告)
修復的司法と少年司法 日本刑法学会第85回大会
ワークショップ「修復的司法と量刑」内での発表
20070527 名城大学天白キャンパス 修復的司法は、犯罪被害者とその加害者、及び彼らの家族・友人などのコミュニティの三者がお互いの気持ちを表明して、犯罪で壊れたコミュニティの結束を相互の話し合いによって修復するという紛争解決昨であり、現代刑事司法制度に参加することが困難であった犯罪被害者の地位を尊重することを主眼とする。そして、少年司法へこの修復的司法という理念を導入する動きは諸外国では多数見られるものである。しかしながら、我が国の、少年法に基づく少年審判で犯罪被害者やその遺族が介入する余地はほとんどなく、また、被害者が加害少年に会うことの意義に疑問を抱く被害者からの意見も多い。(学会報告)

 その他業績

タイトル 実施年月 単著・共著の別 発行所、発行雑誌又は発表学会等の名称 分類 概要
ヘレン・リーブス講演「英国における犯罪被害者支援20年の歩み―犯罪被害者との協働」 19980500 講演翻訳 『警察学論集』51巻5号 (その他) イギリスの犯罪被害者支援は全英犯罪被害者援護協会(VS)が中心となって展開されている。これは、全英規模の独立した非営利の慈善団体であり、470のローカルグループが地元の犯罪被害者に直接的な支援サービスを与えているほか、72のグループが上級裁判所で証人支援サービスを行っている。現在、VSには1万6千人の研修を受けたボランティアがおり、彼らを9百人の有給スタッフが調整している。このよう、きめの細かい組織で犯罪被害者の様々な要請に親身に対応している。111-133頁
リチャード・ブラート講演「刑事事件における和解―ドイツ及びその他のヨーロッパ諸国における最近の展開」 20010300 講演翻訳 『被害者学研究』11号 (その他) 刑事手続における犯罪被害者の役割の減退に対する懸念から、ドイツやその他の西欧諸国では、刑事事件における和解が発展してきた。その運用状況は、一種のダイバージョンとしての活用、中程度の重大性を示す犯罪に多く適用、和解参加の同意率が7〜8割、完全和解率は8割というものであり、広範に用いられ、当事者双方がその結果に満足しているという点では成功していると言える。5-14頁

 所属学協会

所属学協会名 年月(自) 年月(至) 年月(至)区分 職名
日本刑法学会
日本犯罪社会学会
日本被害者学会
日本社会学会

 研究に関連する学内外社会活動

活動年月(自) 活動年月(至) 活動年月(至)区分 内容 分類
20060400 20130331 終了 大阪被害者支援アドボカシーセンター理事
20120700 20160600 終了 大阪市学校適正配置審議会委員
20130400 現在に至る 大阪被害者支援アドボカシーセンター顧問

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