カワグチ ヒロシ
川口 洋
文学部日本文化学科
|
|
タイトル | 自然災害と人口 |
---|---|
著者 | 井上 孝・和田光平編著 |
担当区分 | 共著 |
出版社 | 原書房 |
出版年月 | 20210825 |
担当範囲 |
第2章 天明期の冷害に伴う人口変動 pp.27-50、総ページ数:255頁。 |
概要 | 陸奥国会津郡高野組金井沢村における1783(天明三)年の冷害に伴う人口変動について検討した。18世紀後半の高野組では,1768年,1776年,1780年,および1784年に死亡危機が確認できる。1768年,1776年,1780年の籾の収量は平年を上回るため,この3年は凶作と連動しない死亡危機である。凶作と連動しない死亡危機には,死亡性比が比較的均衡しており,年少死亡者の構成比が高く,年少死亡者の性比も比較的均衡している。天明3年の凶作の翌1784年の高野組では,①死亡性比が高く,②年少死亡者が少なく,③標高の高い村では,作物価格が暴騰した端境期である夏季に死亡者が集中して,耕地を持たない木地師は危機的状況に陥った。金井沢村では,①,②に加えて,④粗出生率が低く,⑤出生性比が低く,⑥老年男性死亡者が卓越しており,⑦死亡数を上回る欠落者が村を出て行方不明となるといった人口変動の特徴が観察された。 |