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カワグチ ヒロシ
川口 洋
文学部日本文化学科
タイトル 家族研究の最前線② 出会いと結婚
著者 比較家族史学会監修
担当区分 共著
出版社 日本経済評論社
出版年月 20171204
担当範囲 第8章 十九世紀の越後国から陸奥国への遠方婚からみた地域変化
pp.253-289、総ページ数:367頁。
概要 陸奥国会津郡鴇巣村では、平均初婚年齢を超える未婚男性が未婚女性を大きく上回っていた1810から1832年までの期間に、越後国蒲原郡・古志郡から少なくとも10人の女性を配偶者として受け入れた。人口が最少を記録した19世紀初頭以降、鴇巣村を含む伊南伊北郷周辺では、女性労働力を必要とする大麻や麻織物の移出額が急増した。嫁取り方から娘持ち方に贈られる祝金の高騰、越後国からの女性配偶者受け入れは、大麻・麻織物生産をめぐる女性労働需要の急激な拡大を背景に生じた。越後国と南山蔵入領を往来して移出入物資の流通に関わる商人のなかに、越後国から南山御蔵入領への縁組を仲介する仲人も現れた。鴇巣村の百姓が、越後国蒲原郡・古志郡から女性配偶者を受け入れた背景に、生産活動の活性化、女性労働需要の急激な拡大、末端消費の拡大、商品流通に関わる地域間交渉の活性化といった地域変化が観察された。

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