カワグチ ヒロシ
川口 洋
文学部日本文化学科
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タイトル | 徳川日本の家族と地域性 -歴史人口学との対話 |
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著者 | 落合恵美子編著 |
担当区分 | 共著 |
出版社 | ミネルヴァ書房 |
出版年月 | 20150720 |
担当範囲 |
第4章 一九世紀初頭の奥会津地方における移住者引き入れ -人口増加策からみた地域変化- pp.125-151、総ページ数:524頁。 |
概要 | 人口回復開始期の地域社会の状況を解明するために、19世紀初頭から実施された移住者引き入れの具体像を復原した。陸奥国会津郡叶津村名主を世襲した長谷部家は3代にわたり他国から移住者を引き入れた。長谷部忠右衛門は、天明飢饉を契機として増加した「極々至窮」の「無妻無息之族」が「百姓相続」できるよう「民勢引直」を目的として移住者引き入れを実施したと代官に宛てた願書のなかで主張している。しかし、このような主張は人口構造や移住者を受け入れた家の実態と大きく異なっていた。南山御蔵入領の民衆は、高額にのぼる縁組祝金を支払っても他国から女性を妻や養女という名目で迎えようとしていた。彼らは祝金を支払う経済力を持ち、対価にみあう価値を女性に見出していた可能性が高い。移住者引き入れが民衆の幅広い支持を受けて実施された背景に、女性を必要とする労働需要の急激な上昇を想定することができる。 |