カワグチ ヒロシ
川口 洋
文学部日本文化学科
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タイトル | 19世紀初頭の会津・南山御蔵入領における他邦者引入任役の動向 |
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著者 | 川口洋 |
単著・共著の別 | 単著 |
発行雑誌 | 史境 |
発行所 | 歴史人類学会 |
巻 | |
号 | 50 |
開始ページ | 17 |
終了ページ | 37 |
出版年月 | 20050300 |
掲載種別 | 研究論文 |
概要 | 陸奥国会津郡叶津村名主を世襲した長谷部家は19世紀初頭から3代にわたり他国から移住者を引き入れた。忠右衛門は文化1年に移住者引き入れを田島陣屋に建議して翌年から引き入れを始めた。陣屋は忠右衛門を他邦者引入任役に任命して移住手続きを整え引き入れを支援した。忠右衛門は南山御蔵入領の旧領主・山内家の家来筋とみられる越後国の有力者に移住者募集を依頼して170人もの女性を主とする移住者を引き入れた。忠右衛門は天明飢饉を契機として増加した妻や子供のいない貧しい百姓の家が存続するよう民勢引直を目的として移住者引き入れを実施したと主張している。しかしこのような主張は人口構造や移住者を受け入れた家の実態と大きく異なる。民衆は高額にのぼる縁組祝金を支払っても妻や養女という名目で他国から女性を迎えようとしていた。移住者引き入れが民衆の幅広い支持を受けた背景に女性を必要とする労働需要の急激な上昇を想定することができる。 |